システム金融の例

システム金融の特徴、手口の詳細

「システム金融」というのは一般にはあまり馴染みのない言葉ですが、中小企業や個人事業主として仕事をしている人はかなり頻繁に目にする事例です。

具体的には事業所に対してFAXやDMなどを通じて融資の勧誘を行い、そこで申し込みがあった場合に対した審査や面談などをせずにすぐに金額を振り込むといった方法です。
この時に特徴的なのが、担保の代わりに手形や小切手を指定どおりに郵送させるということで、すぐに現金が欲しい事業所の経営者は言われるままに何に使われるかもわからない状態でそれらを振り出すことになってしまいます。

事業をやっている人はメインバンクを通じて手形や小切手の発行ができるようになっているものですが、それらを使うことにより将来の支払いの代わりにすることができます。
しかしたった今現金が欲しいという人にとってはそうしたものは使えませんので、金利や手数料をとられるということがわかっていつつそうした詐欺の手口に乗ってしまうのです。

システム金融で提示される貸付金は普通の現金貸付と比較して非常に金利が高く、実際にあった事例では年利にして800~2000%といったとんでもない金額が報告されています。

年利2000%などというと法外すぎて話にならないと普通の人の感覚なら思うはずですが、事業を行う時には資金繰りで現金を用意することができなければすぐにでも倒産というようなこともありますので、苦しい経営者が藁をもつかむような気持ちで借りてしまうというのが現状です。

資金繰りに困っている業者にとっては、銀行やその他正規の金融機関にお金が足りないということを相談してしまうと、そこから信用不安が起こり同じく倒産の危険が出てしまいますので、ほとんど審査をせずに言われた通りに手形を小切手を振り出すだけでたった今必要な現金が手に入るというのはありがたいことのように感じられます。

「システム金融」という名称ですが、こちらはFAXなどで営業をしてくる業者が、詳しい仕組みを説明することなくなんとなく相手を信用させるためにあたかもそうした事業が立派に存在しているかのように見せるために考えついた名称です。

システム金融から融資を受けても先は長くない

最後の手段としてシステム金融に手を出す経営者は、残念ながら不景気ということもあってかなりの数に上ります。
特に数十年と操業してきた地元の中小企業などは、外面や雇用している従業員のために経営者が誰にも相談せずにそうした怪しげなところから借りてしまうということもあるようです。

しかしそうした違法な金融を通して現金を用意しても結局ほんのわずかの延命にしかならず、むしろ周囲に多大な迷惑をかけてしまうこともあります。
振り出された手形や小切手の返済期限が到達すれば一気に厳しい取り立てが開始されます。