還付金詐欺の手口

還付金詐欺とは?

お年寄りなどを中心に被害者が続出しているのが、還付金詐欺です。
還付金とは、所得税を支払いすぎたときに払い戻されるお金のことをいいます。
医療費や寄付金などの所得税控除が受けられる支出があった場合や、予定額として納税を行ったのち、本来の納税額よりも支払金額が多かったという場合に支払いすぎた金額が戻ってきますが、このお金が還付金と呼ばれています。

還付金詐欺は、あたかも支払いすぎた所得税があるように装って、医療費や保険料、国民年金保険などの還付金が戻ってくる偽り、ATMからお金を振り込ませる詐欺です。
役所や税務署、年金事務所など公的な機関の職員になりすまして電話をかけ、ATMで手続きをするとお金が受け取れるとだまし、犯人の口座へとお金を振り込むように誘導します。

還付金詐欺の具体的な手口の例

実際、次のような被害が報告されています。
60代の女性の自宅に、ある日、役所の職員を名乗る男性から電話があり、「100万円以上預金をしている口座があれば、還付金として2万8000円が振り込まれます」と説明されました。
そして「お近くのATMに付いたら、この番号に電話してください。ATMでの手続きの方法を説明します」と指示されたのです。
言われるがままに近くのスーパーにあるATMに出かけ、指示された番号に電話をしたところ「暗証番号985500を入力してください」などの指示があり、その通りに手続きをしたところ、入力した数字は暗証番号ではなく振込金額でした。
被害として、98万5500円が犯人の口座に振り込まれてしまったというものです。

このように、銀行ではなく駅やスーパーなど人目に付きにくい場所にあるATMで振り込むよう指示され、ATM操作の説明では犯人の口座に振り込ませるために、振込金額を「暗証番号」や「受付番号」とだまして入力させる手口が大半です。
被害者は暗証番号や受付番号を入力しているつもりでも、実際にはお金の振り込み金額を入力しているのです。

還付金詐欺に合ったときの対処法

還付金詐欺に騙されないためには、還付金の払い戻しはATMでは行われないことを肝に銘じておくことです。
「ATMで還付金の払い戻し手続きをしてください」という電話は、すべて詐欺です。
役所や税務署などの公的機関から電話がかかってきても、安易に信用しないようにしましよう。

もしあやしい電話がかかってきたら、独りで判断しないことが大切で、家族などの身近な人に相談しましょう。
相談できる人が周りに居ない場合は、警察または消費生活センターに相談することをおすすめします。
被害対策として、迷惑電話防止機器を使用するのもおすすめです。