複数年代「M資金詐欺事件」について

大手企業や有名人を騙した、M資金詐欺事件

大手企業や有名人を広く騙した詐欺事件として、繰り返し形を変えて行われる事件の1つが、M資金詐欺事件です。

このM資金という言葉は元々、第2次世界対戦後に秘本が隠していた莫大な隠し財産が、GHQによって保護され使われているという都市伝説を元に作られた、隠れ資金の事を指します。
このM資金が実在にある物として、自分は大金を持っており、元手がたっぷりとあると被害者に錯覚させ、偽の融資詐欺を持ちかけてお金を出させるというのが、この事件のやり口です。

2011年に発覚したM事件では、元横綱の朝青龍さんから1億円をだまし取ったとして、男二人が逮捕されるという事がありました。

こちらの事件の発端は、2009年、フィリピンに保管する金塊をとかして現金化し、一兆円をモンゴルに投資したいと朝青龍さんに持ちかけたことにあります。
M資金であるため、金塊を持ち出すための一億円が必要と伝え、結果として2回、計二億円の詐取に成功。
当然何も返ってこない事態に朝青龍さんが気づいた結果、この詐欺事件が発覚することとなったのです。

実はこのM資金詐欺事件は、この一件に留まりません。
徳川埋蔵金や山下財宝などをちらつかせて行われる詐欺や、アフリカの政府高官を名乗る人物から資金援助の知らせが届くナイジェリアの手紙詐欺など、様々な形で世間を騒がせてきました。

M資金は都市伝説的存在だからこそ、おとぎ話のように姿を変え続け、様々な形になって、時代に沿った詐欺事件を引き起こしているのです。
コウした詐欺事件の被害者として、全日空を始め、日産で働く財界人や、俳優の故・田宮二郎さんなど、各種芸能人も、詐欺事件の被害者となりました。

偽の融資話には要注意

M資金詐欺事件に共通して言えるのが、莫大な元手があり、その元手を出すためにお金を出して欲しいとお願いする事にあります。
そもそもの元手があるのにも関わらず、ちょっとお金を融資しただけでそれ以上のお金をもらえるというケースはあるはずも無いため、上手い話には注意が必要と言えるでしょう。

自分が儲けるという事では無く、寄付という形で人の善意を利用したタイプのM資金詐欺事件もあります。
朝青龍さんのケースが正にそのケースに当てはまり、非常に狡猾で陰湿なやり方であったと言えるでしょう。

M資金というものはあくまで都市伝説ですので、噂はありますが、世界各国どんな形であれ、残念ながら存在しません。
本当に存在するとしても、そのお金を自分が理由も無くもらえるなどという上手い話はありません。
引き出すためのお金を渡すくらいであれば、そのお金をもっと自分のために有意義に使うようにすることが大切です。