1990年代「モード・アバンセ事件」について

議員ぐるみで行われた、モード・アバンセ闇融資事件

1990年代に起った、議員ぐるみでおきた衝撃の詐欺事件として知られているのが、モード・アバンセ闇融資事件です。
こちらは、協業組合モード・アバンセに、高知県の元副知事や当時の県部長から、12億円もの出所不明金闇融資が行われた事件として、大きく取りざたされました。

県では当時、この事件以前にも、高知商銀巨額焦付事件など、県における不手際が発覚したばかりで、県政の情報が知事まできちんと上がらない、ずさんな管理体制が注目されていたこともあり、より事件は騒動へと発展。
何が原因で、出所はどこで、一体どういった心持ちで県政を行っているのかと、地域住民はもとより、他県からもバッシングされる事態に発展したのです。

元々県がモード・アバンセに闇融資を行ったのは、部落解放同盟が大きな理由と言われています。
モード・アバンセは元々、同地和区住民の雇用の確保という名目を掲げつつ、部落解放同盟の考え方を元に、事業を展開。
この部落解放同盟の考え方に大きく賛同をしていた当時の知事によって、この闇融資が行われていたとされています。

モード・アバンセは経営開始前から事業の先行きが心配されるほど、非常に資金繰り、資金計画が怪しい所があり、融資をお願いした四国銀行から協力を男割りされる事態に発展。
事情を聞きつけた県知事の独断と偏見によって、モード・アバンセのみを対象とした地域産業高度化支援資金制度要項を作り上げ、計12億円もの融資が行われる事となったのです。

要項を利用して非常に狡猾な詐欺

この特別要項は表向き、地域産業を応援するために作られ、地元の産業にサポートを行う事を掲げ作られましたが、当然目的はモード・アバンセのみですので、他への融資は一切行われませんでした。
県が独断でこの要項を作り上げ、悪用していたことが当時話題となり、県費から直接融資をしていたことも、大問題へと発展したのです。

元々県が1つの企業に執着をし、あろうことか県のお金から融資をすることなど、あってはならないことです。
その融資が県にとっても有意義で、非常に重要な融資となるのであれば話は別ですが、結果としてモード・アバンセは、ほとんどの予算を焦げ付かせ、無駄金となって消えました。

隠蔽工作を行い予算から流用していた点も悪質で、高知銀行からの1日融資で残高をごまかすなど、非常に計画的に犯行が行われていたと言えるでしょう。

県の貴重な12億円が、泡となって消えた恐ろしい事件、モード・アバンセ闇融資事件。
県の管理体制のずさんさ、上の言いなりにならざるを得ないような労働環境を根本から見直さないといけない、きっかけとなった事件として知られています。