猛威を振るうウイルス「Emotet(エモテット)」に注意

ファイルを開くだけで感染する脅威のウイルス

生物界のウイルスと同様、コンピュータウイルスも飛躍的な勢いで変異と進化をつづけています。

その中でも、ここ数年特に猛威をふるっているのが「Emotet(エモテット)」です。
「Emotet(エモテット)」はメールの添付ファイルに仕込まれるウイルスで、ファイルをオープンするだけで感染してしまう力を持っています。

「Emotet(エモテット)」にひとたび感染すると、コンピュータ内部の重要な個人情報が無作為に盗み出されてしまうほか、さらに、アドレス帳にも不正にアクセスし、複数のアドレスに向けて勝手にウイルスつきのメールを送りつけてしまうため、被害がどんどん拡大してしまいます。

東京都内の商社のPCに「Emotet(エモテット)」つきのメールが送られ、社員が添付ファイルを開いてしまったことからウイルスに感染し、その後のフォローに1カ月以上の時間がかかった、という実例もあります。

「Emotet(エモテット)」のさらなる恐ろしさ

「Emotet(エモテット)」の恐ろしさは、「添付ファイルを開くだけで感染してしまう」ということだけではありません。

「Emotet(エモテット)」には、一度感染したPCをプラットフォームにして別のウイルスを呼び寄せてしまうという機能があり、これによって被害が無制限に拡大してしまいます。
添付ファイル型のウイルスは以前からもありましたが、「Emotet(エモテット)」の場合、セキュリティチェックをすり抜けるという巧妙さがあります。

以前のウイルスであれば、メール本文が日本語として不自然だったり、ところどころ文字化けが目立ったりすることからウイルスメールだと見抜くことができましたが、「Emotet(エモテット)」の場合、メールの件名から本文、内容まで自然であり、通常の対策ソフトではチェックしきれない部分があります。

実在する社員の名前でメールを送っているため、送られた側もついつい無条件に信用してしまい、添付ファイルについても警戒せずに開いてしまいます。

「Emotet(エモテット)」への対処法

ウイルス対策ソフトの盲点をついているという意味で巧妙さが増している「Emotet(エモテット)」。
機械的なウイルスチェックだけでは対応しきれないということで、ヒューマンチェックによってあやしいメールをはじいていくことが対策につながると言われています。

企業ではすでに、業務上の添付ファイルの利用を極力さけるなどの対策が取られています。
「Emotet(エモテット)」は個人もターゲットにしていますので、添付ファイル付きのメールには特に注意し、たとえ知り合いからのメールであっても安易には開かないようにしましょう。

添付ファイルに要注意

添付ファイルを開くことで感染する「Emotet(エモテット)」。
日本語もより自然になっていますので、知り合いのように見えるメールでも無条件には開かず、ウイルスチェックをしっかりと行いましょう。