1992年「オレンジ共済事件」について

戦後の詐欺事件史に残る、オレンジ共済事件

1992年に発生した、戦後の詐欺事件の中でも歴史的詐欺事件の1つとして知られているのが、オレンジ共済事件です。
現職の参院議員により行われた詐欺事件で、90億円をだまし取り、その件を完全に闇に葬り去ったという前代未聞の事件として、当時世間を騒がせました。

当時現職に議員であった、友部達夫と、そその自慢である百男は実刑判決を受け、現在に至るまで語り継がれる、歴史的詐欺事件ですが、元々は、オレンジ共済と呼ばれる定期預金の募集開始が事件のきっかけです。

当時社会保険労務士だった友部達夫は、オレンジ共済という定期預金の募集を開始し、その後95年に、参議院議員に当選。
議員に当選した方が始めた定期預金として信頼度が熱く、年利7パーセントという高利率に心惹かれ、2500人もの人が集まる事になります。

集まった金額は何と90億円にも上りましたが、その後バブルが崩壊し、当然ながら定期預金は破綻。
顧客にお金を返すことが当然出来るわけも無く、97年に、詐欺犯人として逮捕される事になったのです。

集まったお金のうち、40億円は使途不明金で、一部は政治資金として使われていたとされていますが、問題は残りのお金。
全てが明らかになっている訳ではありませんが、次男の夜のホステス通いに、1億円の高級熱帯魚飼育、レースカー製造など、ほぼほぼプライベート資金として使われていたのでは無いかとされています。

ホステス通いに至っては、一晩のうちに300~400万円前後を使うのが当たり前、銀座のホステスのチップとして、100~200万円のチップを渡すなど、あり得ない豪遊を繰り返していたとされています。

ほとんどのお金は次男のプライベート資金として消えてしまった結果、当時メディアでは、馬鹿息子の文字が躍り、世間から注目を集めました。

被害者弁済は今だ叶わず

現在、父である友部達夫は亡くなりましたが、次男の息子はまだ存命。
現在は出所し、働きながら少しずつ詐欺事件の返済を行っているとされていますが、金額が金額だけに、被害者救済は当然ながら全く進んでいないのが現状です。

現在ではホステスどころがキャバクラや居酒屋にもほとんど行かず、改心したとされていますが、被害者の怒りは当然消えることはありません。
被害者にとっては、過去の詐欺事件では無く、現在進行形で起っている事件として、今もなお、深く心に傷を負っていると言えるでしょう。

どんなに肩書きが立派で、どんなに周囲が定期預金に加入をしていても、やはり人生は何が起るかわからないものです。
加害者の話によると、バブル崩壊さえ起きなければ、予定通りの金利で定期預金を進めるつもりであったとされています。