2006年「近未來通信詐欺事件」について

新手の投資詐欺として世間を騒がせた、近未来通信詐欺事件

2006年に発覚した、当時新手の投資詐欺の一種として知られているのが、近未来通信詐欺事件です。
こちらの詐欺事件では、当時ネットがまだ主流となっていなかったからこそ起きてしまった狡猾な詐欺事件として知られています。

詐欺グループとして逮捕されたのが、近未来通信という企業を名乗る詐欺グループです。
この近未来通信は最先端のIT企業として顧客に認識をさせた後、各種説明に入ります。

「ネット技術を使って電話料を安くできる、IP電話事業を展開している」
「IP電話中継局オーナーシステムを作るため、投資して参加をしないか?」
「投資1年後には毎月100万円近くの配当金が入り、設備の更新費用などは一切かからない」

このような話を持ちかけて、資金を集めることに成功していたのです。
こちらは全て虚偽の説明で、お金を払っても残念ながら、配当金が支払われることは無く、そのお金を元手として、近未来通信の営業が行われていたとされています。

中継局オーナーとなった人から集めたお金を、別の中継局オーナーの一部の配当に回すという異常な事態が起きていたにもかかわらず、そのまま営業。
当然配当の支払いが滞り始め、詐欺事件が発覚されたとされています。

元々は支払う気があったのか

近未来通信は元々、事業としての運営がほとんど皆無で、事実上、中継局オーナーから支払われたお金を元に、営業等が行われていました。
IT企業として機能して居らず、全売上高181億円のうち、電気通信事業による運営は、3億円に留まっていたとされています。

残りは全て、中継局オーナーから支払われた売上金でしたが、残念ながらそんな事態が長く続く訳もなく、還元金のお支払いに関してと言う通知を一方的に送りつけ、支払いが延期するようになった結果、事件が発覚したのです。
この事件をきっかけに、当然ながら近未来通信は機能を停止し、現在でも、詐欺被害者への還元はなされていないとされています。

中継局オーナーシステムによってギリギリの運営をしていたものの、当然配当金が間に合うことも無く、気がついた時には後の祭り状態になったというのが、近未来通信詐欺事件のきっかけです。
根本的に無理のある投資話だったにも関わらず、やはり言葉巧みに被害者を騙し、金銭を巻き上げたと言えるでしょう。

投資として見捨てるにはあまりにも大きすぎる金額、ほとんどのユーザーが数百万~数千万円近くを投資していたこともあり、非常に狡猾な詐欺事件として当時世間を賑わせました。
投資話は、今後の企業の発展、将来性を予知し、有る程度見届けた上で行うようにしないと、非常に危険であると言えるでしょう。