2003年「有栖川宮詐欺事件」について

偽りの結婚披露宴詐欺、有栖川宮詐欺事件

日本の象徴として知られる天皇陛下。
社会の授業でも教わる一般常識として差入れていますが、具体的にどんなご家族がいるか知らないことも多く、その全容をしないと言う方も少なくありません。

そんな国民の隙を突いたとも言えるのが、有栖川宮詐欺事件です。
2003年に起ったこちらの事件は、各界の著名人も巻き込み、大騒動となりました。

2003年4月6日、東京赤坂のカナダ大使館の地下パーティー会場で行われたのが、皇族夫妻と名乗る、有栖川宮夫妻の結婚披露宴でした。
この有栖川宮は世襲新王家の1つとして知られ、桂宮、伏見宮、閑院宮の加盟と並ぶ皇族として名乗られていました。

ですがこの有栖川宮家は、1913年、10痔雨党首である威仁親王が亡くなった段階で断絶し、皇族としての加盟は残っていません。
にも関わらず、この有栖川宮を名乗る夫妻は、完全なる偽物なのですが、実際に皇族としての名前が以前有った事も有り、披露宴出席者は、その歴史を知ることは無かったのです。

まさかお家断絶をしていたとは夢にも思わない披露宴参列者は、皇族の式に参加をしている物として、当然ご祝儀を渡し、その金額1200万円以上にも上りました。
この中には、当日販売をされていた夫婦のブロマイドを始め、各種グッズも含まれて居ます。
何と二人とのツーショットを撮るためにも料金を1万円支払わないといけないほどで、今にして思えば、非常に思い切った詐欺事件であったと言えるでしょう。

その後、この事件が発覚、犯人の偽物皇族は、逮捕されるに至ったのです。

犯人は非常に強欲

有栖川宮詐欺事件の犯人として実刑判決を受けたのが、政治団体の代表を務めていた北野康行と、自称元女子アナの坂本晴美です。
二人はあくまでこの詐欺事件を行う際のパートナー、決して内縁関係、恋愛関係、ましてや実際の夫婦だった訳でもないことで知られています。

二人はいずれも実刑判決が下され、その後刑に服すことになりますが、北野が坂本にあてた手紙を週刊新潮が掲載した際に、慰謝料請求の訴えを起こすなどの事件も起りました。
当然ながら取り上げられる事も無く終わったのですが、この事件を踏まえても、非常に二人が強欲であったことがうかがえるでしょう。

有栖川宮事件では、二人の計画の甘さも垣間見えます。
披露宴の際に提供された料理は非常に安っぽく、引き出物は何とバームクーヘンのみでだったとのことで、参列者も不思議に思っていたのだそうです。
せめてそう言った細かい部分で作り込みがされていれば、発覚も多少は遅くなったと言えます。

非常に強欲に、非常に貪欲に皇族を名乗った結果、現在に至る事を考えると、とても浅はかであったと考える方は少なくありません。