2012年「AIJ投資顧問事件」について

年金資金運用の罠、AIJ投資顧問事件

2012年、年金資金を運用して利益を生むというクチコミで顧客を増やした結果、詐欺事件だと発覚した、衝撃的な事件が、AIJ投資顧問事件です。
こちらの被害総額はなんと2000億円にも登ると言われており、顧客運用資産の9割もが失われたとされています。

そもそも何故この詐欺事件は起ってしまったのか、詳しい原因はわかっていませんが、可能性としてあげられるのが、意図的な詐欺だったか、途中から虚偽申告をしていたかと言えます。
運用の途中で損失が出てしまった結果、それを隠そうとして虚偽申告をしてしまい、気がついたら取り返しが付かない事態に発展していたというが、後者です。

結局の所正しい所は判明しなかった物の、金額面を考えると、運用失敗と虚偽申告が組み合わさって膨れあがった可能性の他に、関係者による着服も考えられるでしょう。
いずれの場合も、AIJ投資顧問に責任があり、大きく取りざたされました。

上手い話には罠がある

当時AIJ投資顧問が人気を集めたのは、運用利回りの説明にありました。
AIJ投資顧問では、投資利回りを2002年に35パーセント前後、2003~05年には14~18パーセント、06年以降には、5~9パーセントになると謳い、お得感を植え付けたのです。

安定的な高利回りに心を惹かれ、当時リーマンショックなどの金融危機で不安定だった日本経済に訪れた奇跡と考える方も多く、残念な結果に繋がってしまったと言えるでしょう。
冷静な状況で考えれば、この利回りがいかに胡散臭いかわかる物ですが、人の心のスキにつけ込み、まんまと資金運用の話に持ち込んだと言えます。

非常に恐ろしいことに、このAIJ投資顧問事件の多くに参入していたのは、中小企業です。
中小企業が積極的にAIJ契約を結ぶ傾向があり、その結果、総合型の年金タイプが作られました。

事件発覚後、倒産をする中小企業も多く、非常に恐ろしい事態へと発展しましたが、後悔しても後の祭り。
総合型の厚生年金を活用した見直される事となり、年金運用の形としては、今ではマイナスイメージを持つ方がほとんどです。

このように、個人よりも企業全体を巻き込んで行われる事となったのが、こちらのAIJ投資顧問事件になります。
物事にはそんな簡単に上手い話は無く、きちんと警戒をして臨まないと、会社が潰れる事態にまで発展してしまうのです。

詐欺事件の被害者ではある物の、こちらは残念ながら、クチコミがクチコミを呼び、被害者が加害者となってしまったケースも少なくありません。
悪気があって進めたわけではもちろん無いものの信頼する企業から進められて始めた結果、会社倒産の危機に陥ってしまった方も多くいる、恐ろしい事件だったと言われています。