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手口が巧妙なSNSのアカウント乗っ取り

進化するSNSアカウント乗っ取りの手口

LINEやX、Instagram、FacebookなどのSNSは、日常生活や仕事に欠かせないコミュニケーションツールです。
しかし、世界的な普及に伴いSNSのアカウント乗っ取りを狙った犯罪も増えてきました。
アカウント乗っ取りの手口は多岐にわたっており、詐欺師は常に新しい方法を模索し、進化させています。

主な手口の1つ目に、フィッシング詐欺があります。
メールなどで偽のログインページに誘導してログイン情報を入力させ、それらの情報をだまし取る手法です。
ログインページで入力された情報は詐欺師に直接送信され、アカウントの乗っ取りに利用されます。
2つ目はマルウェア詐欺で、パソコンやスマホなどに送り込まれる悪意あるソフトウェアです。
メールやダウンロードしたファイルからマルウェアが気付かないうちに入り込み、SNSアカウントのログイン情報を盗み取ります。

さらに、個人情報漏洩によってログイン情報が第三者に渡るケースも少なくありません。
これらの個人情報を売買する専門業者も存在します。

誹謗中傷から詐欺まで!乗っ取りによるリスクとは?

何らかの手口でアカウントが乗っ取られると、詐欺師はあなたのアカウントを使って、さまざまな悪事に利用することができます。
例えば、あなたのアカウントを使って誰かを誹謗中傷したり、ニセの情報をSNS上に拡散させたり、フォロワーからさらに別の個人情報を盗もうとするケースがあります。
このような行為は社会的な信頼を著しく損ね、その結果アカウントを凍結されたり、周囲からの信用を失うなどの被害に遭うこともあるのです。

あなたの名前で犯罪が行われることもあります。
乗っ取ったアカウントを使って電子マネーを盗み取るためのメッセージを送り、第三者から金銭をだまし取る手口が数多く報告されています。
あなたの個人情報が詐欺師に知られるだけでなく、さらなる犯罪などに悪用される可能性が高いため、SNSのログイン情報は安易に人に教えない、パスワードも簡易のものにしないよう注意しましょう。

SNSでは不正なログインを防ぐために、認証番号制度を採用しています。
これは、いつもとは違うスマホやパソコン、タブレットなどからログインがあった場合、通常使っている端末に認証番号を送り、その認証番号を入力しないとSNSは使えないという仕組みです。
詐欺師が不正ログインを試みた場合、あなたの端末に認証番号が送信されることがありますが、他人があなたから認証番号を聞き出そうと接触してきても教えてはいけません。

不審なメッセージを受け取った場合、安易に返事をしないことが大事です。
友人かどうかわからない場合は、直接その友人に電話などで確認しましょう。
また、パスワードは生年月日など他人が推測しやすいものではなく複雑なものを使い、定期的に変更することも大切です。

よく知られているはずなのに騙される人がいる「ナイジェリアの手紙」

インターネット詐欺の古典的手口「ナイジェリアの手紙」とは?

インターネットの普及により詐欺行為も増加し、しかもその手口は年々巧妙化しています。
特によく知られているのが「ナイジェリアの手紙」と称される詐欺手口で、有名な詐欺の手口ですが、それでもなお被害に遭う人が後を絶ちません。

「ナイジェリアの手紙」とは、高額な遺産や資金を持つと自称する人物から「隠し資産をあなたの口座に移動させるために、銀行口座の番号を教えてください」などの依頼メールが送られてくるというものです。
このような詐欺の大半がナイジェリアから電子メールで送られてきた過去があるため、「ナイジェリアの手紙」と呼ばれています。
特徴としては「高額な資金の移動を伴う」内容で、「法的な手続きや納税を理由に、前金が要求される」ことや「秘密厳守を強く求められる」ことが多いことが挙げられます。

例えば、ある日突然ナイジェリアの高級官僚の息子を自称する男性から、「先日遺産相続したお金を秘密裏に海外に移したい」という内容のメールが届きます。
そして、「ついては、一時的にあなたの口座に私のお金を入金させてほしい」とお願いされるのです。
もちろん、謝礼として大金を支払うと約束してくれます。
このような手口によって銀行口座の番号を聞き出したり、法的な手続きのための手数料を一時的に立て替えて欲しいなどと要求して金銭をだまし取るのです。

年々巧妙化する「ナイジェリアの手紙」の手口

「ナイジェリアの手紙」の手口は、年々より複雑に、より巧妙になっています。
詐欺師はターゲットの社会的背景や興味・関心事項を調査し、より効果的な方法でアプローチして組ます。
政府機関や金融機関を装う、SNSやメールを通じて恋愛関係に持ち込むなど、相手を信用させてお金をだまし取る手口もみられます。

ナイジェリアの手紙の詐欺に合わないためには、差出人に心当たりがないなど、不審なメールは開かずにそのまま削除することです。
もしメールを開いた場合でも、高額な取引提案のメールは安易に信じないでください。
そして、銀行口座やクレジットカードの番号を求められても、決して教えないでください。

メールの送り主が金融機関やクレジットカード会社であっても信じてはいけません。
これらの信用を取り扱う企業は、口座やクレジット番号などをメールで確認してくることは一切ないからです。
このような情報をメールで尋ねてくること自体が詐欺の証拠です。

そして、メールに書かれているURLを安易にクリックしないことも大事です。
セキュリティ対策として、パソコンや端末のOSやインターネットブラウザはこまめにアップデートを行い、常にセキュリティを最新バージョンにしておきましょう。
同時に、最新のウイルス対策ソフトを導入することをおすすめします。

還付金詐欺の手口

還付金詐欺とは?

お年寄りなどを中心に被害者が続出しているのが、還付金詐欺です。
還付金とは、所得税を支払いすぎたときに払い戻されるお金のことをいいます。
医療費や寄付金などの所得税控除が受けられる支出があった場合や、予定額として納税を行ったのち、本来の納税額よりも支払金額が多かったという場合に支払いすぎた金額が戻ってきますが、このお金が還付金と呼ばれています。

還付金詐欺は、あたかも支払いすぎた所得税があるように装って、医療費や保険料、国民年金保険などの還付金が戻ってくる偽り、ATMからお金を振り込ませる詐欺です。
役所や税務署、年金事務所など公的な機関の職員になりすまして電話をかけ、ATMで手続きをするとお金が受け取れるとだまし、犯人の口座へとお金を振り込むように誘導します。

還付金詐欺の具体的な手口の例

実際、次のような被害が報告されています。
60代の女性の自宅に、ある日、役所の職員を名乗る男性から電話があり、「100万円以上預金をしている口座があれば、還付金として2万8000円が振り込まれます」と説明されました。
そして「お近くのATMに付いたら、この番号に電話してください。ATMでの手続きの方法を説明します」と指示されたのです。
言われるがままに近くのスーパーにあるATMに出かけ、指示された番号に電話をしたところ「暗証番号985500を入力してください」などの指示があり、その通りに手続きをしたところ、入力した数字は暗証番号ではなく振込金額でした。
被害として、98万5500円が犯人の口座に振り込まれてしまったというものです。

このように、銀行ではなく駅やスーパーなど人目に付きにくい場所にあるATMで振り込むよう指示され、ATM操作の説明では犯人の口座に振り込ませるために、振込金額を「暗証番号」や「受付番号」とだまして入力させる手口が大半です。
被害者は暗証番号や受付番号を入力しているつもりでも、実際にはお金の振り込み金額を入力しているのです。

還付金詐欺に合ったときの対処法

還付金詐欺に騙されないためには、還付金の払い戻しはATMでは行われないことを肝に銘じておくことです。
「ATMで還付金の払い戻し手続きをしてください」という電話は、すべて詐欺です。
役所や税務署などの公的機関から電話がかかってきても、安易に信用しないようにしましよう。

もしあやしい電話がかかってきたら、独りで判断しないことが大切で、家族などの身近な人に相談しましょう。
相談できる人が周りに居ない場合は、警察または消費生活センターに相談することをおすすめします。
被害対策として、迷惑電話防止機器を使用するのもおすすめです。

ギャンブル詐欺の特徴と手口

ギャンブル詐欺の特徴

ギャンブル詐欺とは、宝くじ、競馬、パチンコなどのギャンブルに関して、「必ず儲かる方法がある」などと誘いかけてお金を騙し取ろうとする詐欺です。

ギャンブル詐欺の手口

ロト6を用いたギャンブル詐欺の手口の例を一つ挙げましょう。
ロト6とは、選んだ数字が抽選で当たったらお金がもらえるという宝くじの一種です。
平日の夕方に毎日抽選が実施されており、その様子はネットでリアルタイムで中継されるほか、結果は翌日の新聞にも掲載されます。

ロト6詐欺の犯人は、ロト6の抽選がネットで中継されていることを知らない高齢者層を狙って詐欺を仕掛けます。
抽選が終わった日の夜に電話をかけ、「ロト6の当選番号を教えますよ」などと言ってくるのです。

それで簡単に信じてしまう人は少ないですが、詐欺師は続けてこう言います。
「今日の分の当選番号を今教えることもできますよ。明日の朝刊に掲載されるのでそれで判断してください」と、まるで公表前に当選番号を知っているかのような口ぶりです。

まさかネットですでに発表されているとも知らない被害者は、翌日新聞を見て「本当だったんだ!」と気づきます。
そこで詐欺師がふたたび電話をかけ、「言ったとおりでしょう。次の当選番号を知りたくないですか?」などといって情報提供料などの名目で金銭を要求するのです。

競馬の必勝法を教えるという手口もあります。
最初は人気の馬ばかりに賭けさせるので、確かに勝率は高いです。
それでターゲットが本格的に教えを乞いたいとなった時に、「本気でやるならまとまった金額が必要になる」などと言います。
そうやって最初に信じさせて、後から多額の金銭を騙し取るのがこの手口の特徴です。

同じく「パチンコの必勝法を教える」とSNSなどネットを通じて呼びかける手口もあります。
競馬と同様、最初は少額に設定されているので、被害者も「このぐらいなら」とついお金を払ってしまうケースが多いようです。
しかし、もちろんパチンコの必勝法などありません。

ギャンブル詐欺に遭った時の対処法

実際にお金を騙し取られてしまったのなら、すぐに警察に相談しましょう。
しかし、お金が返ってくる可能性は低いです。

またこの種の手口は、どこまでセーフでどこから詐欺なのかわかりにくいようになっています。
実際に競馬の予想屋がいるように、騙すつもりなどなく、単に情報を提供しその対価を請求しただけと言われるとどうしようもありません。
警察でも詐欺だと証明することは難しいでしょう。

そういうケースでは、被害に遭った時は弁護士に相談しましょう。
弁護士が代わりに相手と交渉してくれますし、場合によっては訴訟によってお金を取り戻せることもあるからです。
とはいえ、最も大切なのは「ギャンブルの必勝法など存在しない」ということを肝に銘じ、おいしい話に引っかからないことです。

金融商品詐欺の特徴と手口

金融商品詐欺の特徴

金融商品詐欺とは、現実には存在しない、もしくは存在していても価値がほとんどない未公開株や有価証券などの金融商品について、「絶対に儲かる」などとうまいことを言ってターゲットから金銭を騙し取るという特徴があります。
ふつうならそんなわけのわからないものに投資するはずないと思いそうですが、この手の詐欺犯は非常に口がうまく、「本当に儲かるかもしれない」と思ってしまいます。

金融商品詐欺の手口

金融商品詐欺にはさまざまな手口がありますが、どれも非常に手の混んだ方法でターゲットを騙そうとします。
一人の人間が騙そうとするだけでなく、複数のメンバーからなる詐欺師グループがチームプレイで騙そうとしてくるので、「まさか詐欺師だとは思わなかった」と言う被害者も多数です。

具体的な手口を一つ挙げましょう。
ある日、投資会社を名乗る業者から電話がかかってきます。
金融商品に投資しないかという勧誘なのですが、この時におすすめする商品が実在しておらず、「必ず儲かります」などのセールストークでターゲットを信じさせる手口が巧妙です。

もちろん一方的に見知らぬ人から投資を勧誘されても、簡単には引っかからないでしょう。
ところが、本物そっくりのパンフレットを郵送してきたり、その後も別の人物から電話がかかってきたり、さらには別の投資会社の人物まで登場してくるというように一筋縄ではいかないのがこの手口の特徴です。
登場人物が多いので、その全員がグルだとは気づかず、セールストークに釣られて最後にはお金を出してしまうということがあります。

また、さらに信憑性が高くなるのが弁護士が出てくる手口です。
最初に投資会社の社員を名乗る人から、「お金は当社が出すので、名義だけ貸してほしい」といった未公開株への投資を誘う電話がかかってきます。
被害者が承諾すると、のちほど弁護士を名乗る人から電話があり、「名義を貸すだけでもインサイダー取引で逮捕されますよ」などと言ってきます。
不安になった被害者に、すかさず「内密に処理する方法があるのですが、それには手数料が必要でして…」などと金銭を要求するのがこの手口の特徴です。

金融商品詐欺に遭った時の対処法

実際に被害に遭ってしまったのなら、まずは警察に連絡しましょう。
お金を払ってしまった後ではそれを取り戻すのは難しいですが、泣き寝入りするより相談してみる価値はあります。

それより大切なのは、日ごろから詐欺に引っかからないように用心しておくことです。
この手の詐欺では、金銭の受け渡しに宅配便やレターパックが使われることが多いです。
しかし、そもそも現金をこれらの方法で送ることは禁じられているはずなので、ちゃんとした業者や弁護士が指定するはずがありません。
宅配便やレターパックで現金を送るよう指示されたら、間違いなく詐欺師と思ってよいでしょう。

キャッシュカード詐欺盗の特徴と手口

キャッシュカード詐欺盗の特徴

特殊詐欺にはさまざまな手口がありますが、最新の手の混んだ手口が「キャッシュカード詐欺盗」です。
警官などを偽った詐欺師がターゲットに電話をかけ、「お使いのキャッシュカードが不正使用されている可能性がある」などと話します。
ターゲットがその言葉を信用したら、「預金保護のために手続きを行うので、今から伺います」などと言って自宅を訪問し、その場でキャッシュカードを巧みに盗み取るのが特徴です。

実際に訪問する人が警官の格好をしているようなケースも多く、その見た目からつい騙されてしまう人が多いです。
相手を信用してつい目を離したすきに、偽物のキャッシュカードとすり替えて本物を持ち去り、現金を口座から引き出します。
被害者が気づかないうちに盗まれていることが多いため、被害の発覚に時間がかかるのが特徴です。

キャッシュカード詐欺盗の具体的な手口

具体的な手口は、上述したように警官など信用性の高い人物を騙って電話をかけるところから始まります。
金融庁や銀行の職員を名乗るケースも多いです。

電話で「お宅のキャッシュカードが不正に使用されている可能性が高い」などと話し、相手が信頼したようなら、その後に被害者宅に訪問します。
訪問時に「キャッシュカードはご自宅で保管していただく。預ける必要はない」と言うので、被害者はつい油断してしまうのがこの手口の大きな特徴です。

それから詐欺師はあらかじめ準備してきた封筒を出し、「この中にキャッシュカードと、暗証番号を紙に書いて一緒に入れてください」と言います。
封をする際に、本人を証明するため印鑑が必要だと続けます。
多くの人はこの時点で印鑑を身につけておらず、いったん家の奥に取りに戻るでしょう。
この隙に詐欺師はダミーのカードが入った別の封筒と本物をすり替えます。

被害者が印鑑を持って戻ってきたら偽物の封筒に印鑑を押させ、自身で封をして保管しておくように言います。
それから、本物のキャッシュカードと暗証番号が入った封筒を持ち、「保護手続きは無事完了いたしました」などと何食わぬ顔で言って立ち去るわけです。

キャッシュカード詐欺盗に遭った時の対処法

上記のように、キャッシュカード詐欺盗に遭っても、自分が被害に遭ったことに気づくのに時間がかかってしまいます。
そのため、被害に遭ってからあわてても、お金は返ってこないことが多いです。
それでも、被害に遭った時は警察や弁護士などに相談するようにしましょう。

もっと大切なのは、被害に遭わないよう日ごろから対策しておくことです。
キャッシュカード詐欺盗を始め、多くの特殊詐欺は電話からスタートします。
ですので、怪しい電話をすべてシャットアウトすればよいのです。
自治体によっては防犯機能付きの電話機を貸し出しているところがありますので、利用できる場合は利用するようにしましょう。

預貯金詐欺の特徴と手口

預貯金詐欺の特徴

預貯金詐欺とは、市区町村の職員や県庁の職員など公共機関の職員だと偽り、たとえば「医療費の払い戻しがある」などとしてキャッシュカードを要求する詐欺です。
キャッシュカードを奪うために、「医療費を払い戻すためにはキャッシュカードを確認しなければならない」や「新しいキャッシュカードに交換する必要があるので、古いカードはいったん預かっておきます」などと、自宅を訪問して言葉巧みに被害者を操るのが大きな特徴です。
また、電話口で同様のことを言って、「手続きのために必要だからキャッシュカードの暗証番号を言ってくれ」などと情報を要求することもあります。

預貯金詐欺の具体的な手口

預貯金詐欺の具体的な手口を、医療費の払い戻しを例に取り再現してみましょう。
まず、役場の職員を名乗ってターゲットに電話をかけてきます。
そして、「医療費の払い戻しがあるのですが、お金を口座に振り込むためには現在のキャッシュカードを新しいカードに変更しなければなりません」などと述べるのです。

被害者が「どうしたらいいでしょう?」と信頼したようなら、すぐさま暗証番号を聞き出そうとするのではなく、銀行協会などそれっぽい名前を挙げて「後日そちらからお電話差し上げるので、その案内に従ってほしい」という旨を伝えます。
それでそれを名乗る人物が連絡し、その後、実際に被害者の自宅を訪問するなどしてキャッシュカードを直接受け取るわけです。
その際に、「手続きに必要だから」とか何とか言って暗証番号まで聞き出します。

上記は役場の職員でしたが、家電量販店や百貨店の店員を偽って「お宅の名義のキャッシュカードで高額な買い物をした人がいます」と電話をかけてくる手口もあります。
いずれも、電話の後に実際に自宅を訪問し、キャッシュカードや暗証番号を要求するのが特徴です。

預貯金詐欺に遭った時の対処法

預貯金詐欺が疑われる場合、すぐに警察に相談しましょう。
実際にお金を引き出されただけでなく、上記のような怪しげな電話があっただけでも連絡するべきです。

実際にお金を取られてしまった場合は、弁護士への相談をおすすめします。
今なら預貯金詐欺のような特殊詐欺の被害者は、「振り込め詐欺救済法」という法律によってお金を取り戻せる可能性があるからです。
被害者自身での申請も可能ですが、迅速な対応が必要であるため、法律の専門家である弁護士に依頼するのがベストでしょう。

以上は預貯金詐欺に遭った時の対処法ですが、事前に詐欺に遭わないための対策をしておくことも大切です。
たとえば、防犯機能が付いている電話機を導入するなどしてはいかがでしょうか。
警察などに登録されている迷惑電話の情報から、怪しい着信があった時に安全度を知らせてくれます。
非通知の場合、自動で着信拒否してくれるので安心です。

交際あっせん詐欺の特徴と手口

交際あっせん詐欺の特徴

交際あっせん詐欺とは、たとえば多くの人が購読している雑誌などに異性を紹介するという広告を掲載して、それに応募してきた人に対して保証金や登録料などという名目で不当な料金を請求する詐欺です。
雑誌だけでなく、メールなどによっても異性を紹介する内容のメッセージが氾濫しているので注意しましょう。
うっかり応じた被害者が多額の金銭を騙し取られることが増えているとして、警察でも特殊詐欺の一つとして注意を呼びかけています。

交際あっせん詐欺の手口

交際あっせん詐欺の基本的な手口は、上述のように雑誌を使います。
雑誌の広告や投稿コーナーなどに異性を紹介するという内容を掲載し、ターゲットを募るというやり方です。
それを見た人が異性を紹介してもらえると思って連絡すると、実際には誰にも紹介してもらえず、保証金や登録料などの名目でお金だけ取られてしまいます。

また異性の情報を提供してくれたり、実際に一度だけは会わせてくれるケースもあります。
しかしすぐに音信不通となってしまい、お金だけたっぷり取られるパターンもあるので注意です。

最近では、雑誌だけでなくネットを利用した手口も広がっています。
特に注意したいのがSNSを使った手口で、たとえばFacebookなどで一般の人を装い、ターゲットに近づきます。
その後ふつうにメッセージのやり取りを繰り返し、相手に好意を抱かせてから、デートや旅行に行こうなどといって金品を要求するパターンです。

また、Facebookを使って、「相談に乗ってほしい」などと芸能人を騙ってターゲットに近づく手口もあります。
もしくは、「自分は芸能人のマネージャーで担当のタレントが相談相手を探しているので、紹介してもよいだろうか」などと言って、ターゲットを出会い系サイトなどに誘導し、高額な料金を支払わせる手口もあります。

交際あっせん詐欺に遭った時の対処

交際あっせん詐欺に遭ったと気づいたら、まず警察に相談しましょう。
お金だけ取られて紹介してもらえなかった場合だけでなく、一度は紹介してもらえたけどその後は費用だけ取られて会わせてもらえないという場合でもかまいません。
「一度だけでも紹介されたのだから、詐欺にはならないかも」と思ってしまいそうですが、不安なこと、怪しいと感じるところがあれば警察に一度は相談するべきです。

警察への相談は大切ですが、事件性が認められない限り警察は動いてくれません。
また、たとえ相談に乗ってくれても、失ったお金が返ってくる可能性は低いでしょう。
そういう場合は、国民生活センターや消費生活センターに相談することをおすすめします。
状況に応じて、適切な対処法を教えてくれるでしょう。

騙し取られたお金を取り戻したいなら、弁護士に依頼するという手もあります。
費用はかかりますが、お金を取り戻すことのできる可能性はこの方法が最も高いでしょう。

スピアフィッシング(標準型メール攻撃)の手口

そもそもスピアフィッシングとは?

ウェブを利用した詐欺の古典的な手口として、フィッシング詐欺は以前から知られていました。
ここ数年はフィッシング詐欺から発展してスピアフィッシングという形態のネット詐欺が増えつつあり、被害も拡大しています。
スピアとは英語の銛(もり)のことで、水中で魚を突き刺す用具として使われます。

それが転じて、従来のフィッシング詐欺よりもターゲットを絞り、よりピンポイントに詐欺を仕掛ける手口のことをスピアフィッシングと呼ぶようになりました。

スピアフィッシングでは、あらかじめターゲットの属性や趣味嗜好をデータとして収集し、ターゲットが関心を持ちそうなサイトを装ってメールを送ります。
従来のフィッシング詐欺のようにランダムにメールを送りつけているわけではないため、メールを送られた側はついつい本当の情報だと思い込んで、有害サイトに誘導されてしまいます。
実際に日本国内で発生したスピアフィッシングの事例としては、ビットコイン詐欺などがあります。

スピアフィッシング詐欺の被害者心理

スピアフィッシング詐欺の巧妙なところは、ターゲットをピンポイントに絞っている点にあります。

初期型のフィッシング詐欺の場合、メッセージの内容もランダムに生成され、日本語になっていないもののあるため、送られた側も警戒しやすいという特徴がありました。
しかし、最新型のスピアフィッシング詐欺ではターゲティングの精度がはるかに向上しており、また、メッセージの文章や内容もより自然になっているため、本物のメールと見分けがつかないという特徴があります。

ビットコインやテレワークなど、今まさに強い関心を持っている事柄についてメッセージが送られたり、「お得な情報」と言われたりすればついついクリックしてみたくなるのが人間の心理というもの。
スピアフィッシング詐欺では、銀行口座やクレジットカード情報など、よりコアな個人情報を収集して利用するという点でより悪質度が増しています。

スピアフィッシング詐欺への対処法

スピアフィッシング詐欺は、「興味関心のある情報にはついつい引き寄せられてしまう」という被害者心理を巧みに利用しています。
言い換えれば、根拠のない情報には安易に飛びつかないのが有効な対処法であり、未登録のアドレスからのメールを一切無視することで被害を防ぐことができます。
むやみに個人情報を登録しない、というのも予防法のひとつです。

スピアフィッシング詐欺では、サイトに登録されたユーザーの情報からメーリングリストが生成されることもあるため、個人情報を厳密に管理することで被害に遭うリスクをおさえることができます。

見知らぬアドレスに要注意

メールを利用したスピアフィッシング詐欺。
あらかじめターゲットの趣味嗜好や興味関心を収集しているという点で悪質度が高まっています。
未登録のアドレスからのメールは一切無視する、あちこちのウェブサイトでむやみに個人情報を登録しない、などの対策によって予防することができます。

SNSの「現金プレゼント」企画を利用した詐欺の手口

意外と身近!SNSの現金プレゼントって?

ここ数年、TwitterなどのSNSを通じ、現金プレゼントという企画を行うアカウントが増えてきています。

知名度のある有名人が現金プレゼント企画を行う場合もあり、プレゼントの総額が大きいことから度々話題になっています。
有名人がやっているから、SNSで手軽にフォローやリプライができるからとついつい参加しがちな現金プレゼントですが、実は大きな落とし穴があります。
SNSの現金プレゼント企画が詐欺につながると言っても、ピンとこない方のほうが多いかもしれません。

正確に言えば、現金プレゼント企画そのものは詐欺にはあたりません。
実際に当選者がいるかぎりは、現金プレゼントも通常のキャンペーンのひとつであり、SNSのガイドラインに従っているかぎり違法性もありません。
ただ、当選者がひとりもいなかったり、リツイートした人が他の有害サイトに誘導されたりするケースがあり、注意が必要です。

また、フォロワーを大量に集めたアカウントを転売する目的もあり、手口はますます巧妙化しています。

現金プレゼント企画の被害者心理

SNSを利用した現金プレゼント企画の厄介なポイントは、「違法性がわかりにくい」というところにあります。
プレゼント企画そのものは合法であり、著名人も定期的に行っているキャンペーンのひとつです。

ただ、現金プレゼント企画の場合、参加者の規模も非常に大きく、たとえ実際には当選者がひとりもいなかったとしても気づかれにくいという特徴があります。
また、ここ数年は著名人になりすました「便乗企画」も増えており、これに騙されてしまうと有害サイトに誘導されて架空請求をされてしまったり、アカウントのSNS閲覧履歴が盗み出されてしまったり、さまざまな被害につながりかねません。

有名人がやっている現金プレゼント企画ということならユーザーを信頼させやすく。なおかつ大規模キャンペーンによって本質を見えにくくするという特性がこの詐欺にはあります。

現金プレゼント企画への対処法

現金プレゼント企画への対処法はまず、「見知らぬアカウントをむやみにフォローしないこと」です。
特に、いわゆるネットビジネス系のアカウントはこの種のキャンペーンが多く、詐欺目的の悪質なものも少なくはありません。

ただより高い物はなし。
フォローやリツイートだけで簡単に大金が手に入るほど、世の中は甘くありません。
著名人のアカウントであったとしても、大型キャンペーンには安易に飛びつかないようにしましょう。

SNSでも要注意!

SNSがより身近になっていく中でますます増えつつある現金プレゼント詐欺。
フォロー、リツイートするだけ……などと甘く考えずに、ビジネス系のアカウントをむやみにフォローしないなど、しっかりと対策を講じておきましょう。