Category Archives: 過去の著名な詐欺事件

2007年「羽賀研二未公開株詐欺事件」について

恐喝未遂事件にまで発展した、羽賀研二 未公開株詐欺事件

ただの詐欺事件に留まらず、返金を求めた顧客に恐喝、暴力を行う事で黙らせていたとして、世間を騒がせた恐ろしい事件が、羽賀研二 未公開株詐欺事件です。

当時人気芸能人であった羽賀研二によって仕組まれた詐欺事件ですが、こちらは、未公開株を1株40万円で購入し、別の株主に、3倍の値段で売った詐欺事件になります。

総計3億7千万円前後をだまし取り、多くのユーザーを苦しめただけでは無く、返金を求めた株主に対して、元プロボクシング世界王者、渡辺二郎と共謀し、暴力的に恐喝を行ったのです。
直接的な暴力を行わずとも、立場を利用した非常に狡猾な恐喝を行った結果、株主を無理矢理諦めさせるという暴挙を行いました。

そもそも未公開株が3倍の値段で売れた理由は、羽賀研二が芸能人という所が一番の理由です。
未公開株の出所を聞かれた際など、芸能人で特別なルートがあるという一言に騙され、お得な株を購入したと考える被害者が多かったと言えるでしょう。

一般人を中心に株販売を行ったこともあり、発覚が遅れた物の、結果として共謀したプロボクサーと共に、お縄につくこととなったのです。

元歯科医の偽証罪有罪判決が決め手

こちらの未公開株詐欺事件は、第一審では証拠不十分という事も有り、無罪判決となりました。
ですが、第二審以降を覆したのは、同じく共謀を手助けした、元歯科医の証言にあります。

元々第一審で無罪判決を勝ち取ったのは、元々の株の買値を、株式会社の買い手である不動産会社社長が知らなかったからという点にありました。
あくまで故意に引き起こした事件では無く、善意として行った結果起きてしまった、悲しい事故として片付けられようとされていたのです。

ですがここで、不動産会社社長の株の買値がわかっていたのではないかという証拠が手に入ります。
それは、元歯科医による偽証罪の有罪確定です。

証人として裁判所で証言を行った元歯科医が、嘘の証言を行っていたという証拠がつかまれ、偽証罪が確定。
その結果、未公開株詐欺事件の決め手となって居た証言が全て無に帰し、取り調べを続けたところ、事件がみるみるうちに露呈していく事となったのです。

結果として首謀者である羽賀研二は、実刑6年という判決を受け、芸能界から完全にシャットアウトされることとなりました。
共謀した元歯科医、渡辺二郎に至っても、それぞれに有罪判決が下され、実刑を受けたとされています。

ネームバリューという物はやはり信用がおけない、どんなに世間でちやほやされている有名人が言う事でも、時には狡猾な嘘であることもあるという事を、頭に入れて置くことが大切です。

2006年「近未來通信詐欺事件」について

新手の投資詐欺として世間を騒がせた、近未来通信詐欺事件

2006年に発覚した、当時新手の投資詐欺の一種として知られているのが、近未来通信詐欺事件です。
こちらの詐欺事件では、当時ネットがまだ主流となっていなかったからこそ起きてしまった狡猾な詐欺事件として知られています。

詐欺グループとして逮捕されたのが、近未来通信という企業を名乗る詐欺グループです。
この近未来通信は最先端のIT企業として顧客に認識をさせた後、各種説明に入ります。

「ネット技術を使って電話料を安くできる、IP電話事業を展開している」
「IP電話中継局オーナーシステムを作るため、投資して参加をしないか?」
「投資1年後には毎月100万円近くの配当金が入り、設備の更新費用などは一切かからない」

このような話を持ちかけて、資金を集めることに成功していたのです。
こちらは全て虚偽の説明で、お金を払っても残念ながら、配当金が支払われることは無く、そのお金を元手として、近未来通信の営業が行われていたとされています。

中継局オーナーとなった人から集めたお金を、別の中継局オーナーの一部の配当に回すという異常な事態が起きていたにもかかわらず、そのまま営業。
当然配当の支払いが滞り始め、詐欺事件が発覚されたとされています。

元々は支払う気があったのか

近未来通信は元々、事業としての運営がほとんど皆無で、事実上、中継局オーナーから支払われたお金を元に、営業等が行われていました。
IT企業として機能して居らず、全売上高181億円のうち、電気通信事業による運営は、3億円に留まっていたとされています。

残りは全て、中継局オーナーから支払われた売上金でしたが、残念ながらそんな事態が長く続く訳もなく、還元金のお支払いに関してと言う通知を一方的に送りつけ、支払いが延期するようになった結果、事件が発覚したのです。
この事件をきっかけに、当然ながら近未来通信は機能を停止し、現在でも、詐欺被害者への還元はなされていないとされています。

中継局オーナーシステムによってギリギリの運営をしていたものの、当然配当金が間に合うことも無く、気がついた時には後の祭り状態になったというのが、近未来通信詐欺事件のきっかけです。
根本的に無理のある投資話だったにも関わらず、やはり言葉巧みに被害者を騙し、金銭を巻き上げたと言えるでしょう。

投資として見捨てるにはあまりにも大きすぎる金額、ほとんどのユーザーが数百万~数千万円近くを投資していたこともあり、非常に狡猾な詐欺事件として当時世間を賑わせました。
投資話は、今後の企業の発展、将来性を予知し、有る程度見届けた上で行うようにしないと、非常に危険であると言えるでしょう。

1992年「オレンジ共済事件」について

戦後の詐欺事件史に残る、オレンジ共済事件

1992年に発生した、戦後の詐欺事件の中でも歴史的詐欺事件の1つとして知られているのが、オレンジ共済事件です。
現職の参院議員により行われた詐欺事件で、90億円をだまし取り、その件を完全に闇に葬り去ったという前代未聞の事件として、当時世間を騒がせました。

当時現職に議員であった、友部達夫と、そその自慢である百男は実刑判決を受け、現在に至るまで語り継がれる、歴史的詐欺事件ですが、元々は、オレンジ共済と呼ばれる定期預金の募集開始が事件のきっかけです。

当時社会保険労務士だった友部達夫は、オレンジ共済という定期預金の募集を開始し、その後95年に、参議院議員に当選。
議員に当選した方が始めた定期預金として信頼度が熱く、年利7パーセントという高利率に心惹かれ、2500人もの人が集まる事になります。

集まった金額は何と90億円にも上りましたが、その後バブルが崩壊し、当然ながら定期預金は破綻。
顧客にお金を返すことが当然出来るわけも無く、97年に、詐欺犯人として逮捕される事になったのです。

集まったお金のうち、40億円は使途不明金で、一部は政治資金として使われていたとされていますが、問題は残りのお金。
全てが明らかになっている訳ではありませんが、次男の夜のホステス通いに、1億円の高級熱帯魚飼育、レースカー製造など、ほぼほぼプライベート資金として使われていたのでは無いかとされています。

ホステス通いに至っては、一晩のうちに300~400万円前後を使うのが当たり前、銀座のホステスのチップとして、100~200万円のチップを渡すなど、あり得ない豪遊を繰り返していたとされています。

ほとんどのお金は次男のプライベート資金として消えてしまった結果、当時メディアでは、馬鹿息子の文字が躍り、世間から注目を集めました。

被害者弁済は今だ叶わず

現在、父である友部達夫は亡くなりましたが、次男の息子はまだ存命。
現在は出所し、働きながら少しずつ詐欺事件の返済を行っているとされていますが、金額が金額だけに、被害者救済は当然ながら全く進んでいないのが現状です。

現在ではホステスどころがキャバクラや居酒屋にもほとんど行かず、改心したとされていますが、被害者の怒りは当然消えることはありません。
被害者にとっては、過去の詐欺事件では無く、現在進行形で起っている事件として、今もなお、深く心に傷を負っていると言えるでしょう。

どんなに肩書きが立派で、どんなに周囲が定期預金に加入をしていても、やはり人生は何が起るかわからないものです。
加害者の話によると、バブル崩壊さえ起きなければ、予定通りの金利で定期預金を進めるつもりであったとされています。

2012年「ペニーオークション詐欺事件」について

多くの芸能人を活動自粛に追い込んだ、ペニーオークション詐欺事件

小森純さんを始め、ほしのあきさんなど、当時絶頂のタレント、芸能人を、活動自粛に追い込んだ詐欺事件として知られているのが、ペニーオークション詐欺事件です。
こちらは2012年に発覚した詐欺事件で、他にも数多くの有名人が、自らのあずかり知らぬ所で巻き込まれ、活動休止、自粛などに追い込まれました。

ペニーオークション詐欺事件は、オークションサイトが活用された詐欺事件で、アロマ加湿器や各種電子機器が、格安価格で落札出来ると触れ込まれ、多くの方が利用。
しかし、実際の所その価格で落札できるような商品があるどころか、きちんとしたオークションサイトとしての機能も満たされて居らず、詐欺事件へと発展したとされています。

芸能人がペニーオークション詐欺事件に巻き込まれた理由は、サイト運営会社から、仕事として宣伝を頼まれたことが理由です。
自身のブログを使って、実際には落札をしていない商品を落札したと宣伝し、オークションサイトへと誘導するように依頼され、その結果、詐欺の片棒を担ぐこととなったのです。

いずれも所属事務所を通して依頼された話で、事務所側の確認ミスによることが大きいとされていますが、実際にブログを書いたのは本人。
お金は貰っていない共されていますが、当時影響力の強いタレントのブログで多く取り上げられた事もあり、大きな事件へと発展したのです。

現在も残るペニオク詐欺事件の被害

活動休止に追い込まれたタレントは未だに活動を自粛している方が多く、このまま芸能界引退へと追い込まれる可能性が少なくありません。
現在活躍しているタレントでも、その事件に関わってた芸能人は多く、当時多くのバッシングを受けたとされています。

ブログ内で問題のオークションサイトを紹介する、いわゆるステマ行為を行っていた方も多く、ギャランティとしてお礼を支払われた方もいるそうです。
が、表立って取りざたされる事が無かった結果、現在知らぬ存ぜぬを貫き通している芸能人も多くいます。

この事件でも一番の被害者は、ペニオクサイトに誘導された一般ユーザーですが、加害者の片棒を担ぐ一方、被害者の1面を合わせ持っていると言えるのが、各芸能人と言えるでしょう。
影響力が強い芸能人のSNS関連だからこそ、ここまでの事態に発展してしまったとされています。

ファンの中には、ブログを細かくチェックして、芸能人が使っているスキンケア商品やアイテムをすぐ購入するという方も少なくありません。
そんなファン心理、ユーザー心理を逆手にとった、非常に狡猾な詐欺事件として、現在でも多くのタレントを苦しめ続けて居るのです。

1980年代「豊田商事事件」について

被害総額2000億円、豊田商事事件

1980年代に起きた金融商品取引詐欺として有名なのが、豊田商事事件です。
被害総額は何とこの詐欺事件だけで2000億円にも及び、多くの高齢者が被害に遭ったとされています。

豊田商事事件では、顧客に支払い金額に応じて金地金を購入させる契約が行われましたが、その後現物が顧客に支払われる事は無く、証券を差し出して、証券の保管をお願いされます。
金は企業側の金庫に保管をされ、いずれ支払われるとのことでしたが、当然その証券は無価値な物で、ただ紙を購入するために、高額の契約金を支払ったこととなりました。

信用取引の恐ろしい手口と言えますが、言葉巧みに騙されてしまう顧客が続出。
詐欺グループはこの手口を利用し続けて、結果として2000億円も詐取する事になったのです。

詐欺事件によっては、最初はきちんとしたビジネスで行うつもりだった物の、後から経営が追いつかず、結果として詐取するという形になるものもあります。
ですが、こちらの事件は当然、最初から詐欺をするつもりで行われました。
証券を本物に見えるように細工し、確実に利益を上げることが出来ますよと、多くの顧客を誘導した、非常に狡猾な詐欺事件と言えるでしょう。

絶対に儲かる投資等無い

世の中には上手い話が山のように転がっていますが、ほとんどの場合、豊田商事事件と同じような詐欺目的の偽投資話と言えるでしょう。
絶対に儲かるという投資話は世の中にはありませんので、自分ばかりが儲かるような話を持ちかけられたら、注意が必要です。

豊田商事事件では、ターゲットを高齢者に絞り、家族と相談できないような、一人暮らしの老人に無差別に電話をしていったとされています。
電話勧誘を無差別に行って、話を聞いてもらえる、勧誘を行なえそうなご家庭を見つけたら、実際に家に赴き、詐欺を繰り返して言ったのです。

上手い話で言葉巧みに騙すだけでは無く、時には高齢者の人情につけ込んで、優しさを踏みにじるような詐欺を行ったケースも多々あります。
お金の契約を交わした後からは一切連絡が付かないというケースも多く、豊田商事事件の卑劣さを表していると言えるでしょう。

1980年代当時に流行した詐欺事件として、現在でも語り継がれていますが、こうした詐欺事件は、1980年代に限ったことではありません。
投資話を持ちかけて、全く無価値の物にお金を支払うという根本的な詐欺事件は、今でも止むことが無いのです。

いつの時代もターゲットとされやすいのは、判断力が鈍りがちになる高齢者の傾向があります。
年金をコツコツ貯蓄しているという方が多いことも、詐欺被害のターゲットにされやすい理由と言えるため、ご家族の様子を気遣うことが重要です。

2014年「東電原発賠償金詐取事件」について

東京電力の男性社員が引き起こした、東電原発賠償金詐取事件

2016年に発覚した、東京電力の男性社員とNPO法人職員の男が引き起こした詐欺事件として知られているのが、東電原発賠償金詐取事件です。
こちらの事件はそもそも、自身が起きた後、福島第一原発事故の損害賠償請求を受け付けることが発端となった事件として知られています。

当時東京電力に勤めて居た男性社員は、2011年に起きた東日本大震災をきっかけに、
福島第一原発事故の賠償請求を受け付ける部署に勤務。
請求手当を代行するNPO法人に書類作成の方法などを教えて、その見返りとして、5パーセントを受け取っていたとされています。

NPO法人職員の男性はその時の教えを生かし、2014年、原発事故の影響で風評被害を受けて売上げが減ったと、嘘の申告を東電に行い、1200万円をだまし取ったとして、詐取罪容疑で逮捕されました。

お礼金を支払っていたという事もあり、この二人は非常に密接な共犯関係だったとして、賠償金詐取の疑いが両者にかけられ、結果逮捕という結末に。
諸々の管理体制のずさんさ、適当さによって発生した、実に恐ろしい詐欺事件と言えるでしょう。

国が支払いによる所が原因か

そもそも通常の企業であれば、このような社員の管理体制がずさんになる事も無く、こうした詐取被害が起ることも無かったでしょう。
この管理体制のずさんさを招いた1つの原因は、賠償金の支払いが国の立て替えという点が挙げられます。

原因が地震という事にも有ることから、当時唯一の大手電力会社を救済する目的で、国のお金で各資金が立て替えという形になりました。
東電側は、いずれは返さないといけないものの、あくまでその時は支払わなくとも良いお金として考えた結果、様々な管理体制がずさんになってしまったのでは無いかと言われています。

東電の役職員を中心に、あくまで人ごと、あくまで自分たちのお金では無いという、当事者意識が希薄になったことが、大きな原因と言えるでしょう。
もちろん真相は闇の中ですが、当事者意識が少しでも芽生えていれば、このような事態が起きる事を防げた可能性は多いにあります。

いずれの場合も、時期が時期なだけに東電の信頼は更にがた落ちに。
よりバッシングを受ける事態に発展したとして、信頼回復に努めるのに苦労するとされています。

まだまだ続く地震の影響。
全ての復興は終わった訳ではなく、まだまだリアルタイムの話として、苦しんでいる方も少なくありません。

一人一人の当事者の意識が希薄になってしまうと、同じ事の繰り返しとなる危険性が大いになります。
1つの緩みが全ての緩みに繋がると言っても過言ではありませんので、周囲の監視も厳しくすると同時に、管理体制の見直しも重要と言えるでしょう。

2017年「てるみくらぶ事件」について

旅行客の気持ちを踏みにじった、てるみクラブ事件

旅行客の気持ちを踏みにじり、国内外を問わずに多くの人々の心を踏みにじった残忍な詐欺事件とされているのが、てるみクラブ事件です。

てるみクラブは元々、海外旅行代理店業を営み、海外旅行に行くお客に変わり、航空券や宿泊券の手配をする企業として知られていました。

ですが、旅行の前日になって、「航空券が発券されないので空港に行かないでください」というメールが届き、その後のレスポンスは一切無いという事態が相次いで発生。
事前に振り込みをした旅行代金や、宿泊代の返還に関する連絡などが一切無いまま、連絡も取れなくなるという事態が相次いで起ったのです。

あろうことか、海外にたどり着いてから宿泊先の手配がされていないというケースもあり、海外に取り残される日本人観光客も多発する事態に発展。
非常に悪質な事件として、警視庁捜査二課の捜査が入る事態となりました。

被害総額二億円?悪質な詐欺事件

逮捕されたのはてるみクラブ社長の、山田千賀子です。
非常に陰湿なやり口に怒りを抱え続けて居る方がほとんどで、今もなお、お金が戻ってきていないという顧客がほとんどとされています。

山田千賀子は経営破綻をする直前になってまで集客を続け、破産手続きを開始。
顧客の前払い金なども返還もせず、説明会でも納得の行く説明がされないまま、理不尽な扱いを受けたとしている方がほとんどです。

そもそもどうしてこの事件は起ってしまったのかというと、山田千賀子の無計画な経営が、そもそもの発端になって居たとされています。
最初はきちんと売上げを上げ、経営をしていたのですが、徐々に経営が悪化、赤字を黒字にする為に粉飾決算を行い、銀行から嘘の理由で億単位の融資を受けるに至ったのです。

銀行からの融資などは全て、事業の赤字分に回された物の、全く経営が追いつかず、この事件が起ってしまったとされています。
債務超過に陥った以降も、3千万円以上の役員報酬を受け取ったことも、被害に遭った被害者の怒りに火をつける理由となったでしょう。

元々は詐欺をするつもりは無かったと言えども、結果として非常に悪質な詐欺事件を引き起こすこととなった、てるみクラブ事件。
現在でも顧客救済は全く追いついて居らず、今後も見通しが立たない可能性が高いと言われています。

当時経営不振に陥った際に、顧客から受けたお金を無断で他の運営に充てた、無計画さも問題です。
計画的に先延ばしにするのではなく、その場しのぎその場しのぎを続けた結果、続ける事ができずに破綻したのが、この事件の原因と言えるでしょう。

旅行会社を選ぶ際には、きちんとした企業を選ばざるを得ないと考えさせられた事件です。

1970年代「クヒオ大佐事件」について

結婚詐欺師歴20年、ベテラン詐欺師によるクヒオ大佐事件

1970年代~90年代にかけて、実に20年にも渡り結婚詐欺師を続けて居た男が逮捕された事件。
こちらはクヒオ大佐事件と呼ばれ、2009年には映画として描かれるほどの、衝撃的詐欺事件として取り上げられています。

こちらは、1970年~90年代、クヒオ大佐を名乗る日本人男性によって起きた詐欺事件で、自分の事を、ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐と名乗り、多くの女性に結婚詐欺を行った事件です。

本名、鈴木和弘は女性に自己紹介をする際に、アメリカ空軍のパイロットをしており、カメハメハ大王やエリザベス女王の親類であると自分を紹介した後、結婚話を持ちかけ、詐欺を行ってきました。

元々容姿が日本人離れしていたことに加え、金髪に髪を染め、軍服のレプリカを身にまとっていたことから、騙されてしまう女性が激増。
片言の日本語を使うその姿に騙される女性が多く、詐欺事件の被害者となってしまいました。

被害総額は何と1億円にも及び、一度逮捕されるも、その後また詐欺を繰り返して再逮捕される運びとなり、衝撃がぬぐえない事件と言えるでしょう。

経歴や話のスケールが大きく、出所後も詐欺事件を繰り返す

クヒオ大佐事件は、冷静に考えればわかるほど、とんでもない経歴や話をしている事が多く、余程口達者で余程詐欺に手慣れて居たと言われています。

例えば、6歳でワシントン大学を卒業し、ケンブリッジ大学にも留学していた時期があるなど、学齢詐称が尋常ではなかったようです。
エール大学で弁護士資格朱徳、東京大学法学部大学院で法学博士号取得は15歳までに全て行われており、冷静に考えてもとんでもない経歴を話していたとされています。

また、結婚話を持ちかける際には結婚お祝い金として軍から5千万円が支給される、イギリス王室からも5億円の祝い金が出るなど、膨大なお祝い金の話が浮上。
結婚式の際には、ダイアナ妃のドレスを手がけたデザイナーにウェディングドレスを依頼し、仲人には田中真紀子氏、司会はKONISHIKIに依頼して、快諾済みという話もされたとのことです。

この夢でも思い描かないようなスケールの大きな話に惑わされ、結婚資金を言葉巧みに出してしまった結果、費用を回収した瞬間に失踪。
去り際には、戦争の最前線に行かないといけなくなったと伝え、もし戦死しても、君には軍から功労金が支給されるからと言い残し、姿を消すことを繰り返しました。

クヒオ大佐事件に関しては、こうして字面で見てみると明らかな嘘とわかりますが、その場にいる女性を気がつかせないのは、やはり話術と言えるでしょう。
世の中にそんな上手い話は無いという事を、頭に入れて置くことが大切と言えます。

2012年「AIJ投資顧問事件」について

年金資金運用の罠、AIJ投資顧問事件

2012年、年金資金を運用して利益を生むというクチコミで顧客を増やした結果、詐欺事件だと発覚した、衝撃的な事件が、AIJ投資顧問事件です。
こちらの被害総額はなんと2000億円にも登ると言われており、顧客運用資産の9割もが失われたとされています。

そもそも何故この詐欺事件は起ってしまったのか、詳しい原因はわかっていませんが、可能性としてあげられるのが、意図的な詐欺だったか、途中から虚偽申告をしていたかと言えます。
運用の途中で損失が出てしまった結果、それを隠そうとして虚偽申告をしてしまい、気がついたら取り返しが付かない事態に発展していたというが、後者です。

結局の所正しい所は判明しなかった物の、金額面を考えると、運用失敗と虚偽申告が組み合わさって膨れあがった可能性の他に、関係者による着服も考えられるでしょう。
いずれの場合も、AIJ投資顧問に責任があり、大きく取りざたされました。

上手い話には罠がある

当時AIJ投資顧問が人気を集めたのは、運用利回りの説明にありました。
AIJ投資顧問では、投資利回りを2002年に35パーセント前後、2003~05年には14~18パーセント、06年以降には、5~9パーセントになると謳い、お得感を植え付けたのです。

安定的な高利回りに心を惹かれ、当時リーマンショックなどの金融危機で不安定だった日本経済に訪れた奇跡と考える方も多く、残念な結果に繋がってしまったと言えるでしょう。
冷静な状況で考えれば、この利回りがいかに胡散臭いかわかる物ですが、人の心のスキにつけ込み、まんまと資金運用の話に持ち込んだと言えます。

非常に恐ろしいことに、このAIJ投資顧問事件の多くに参入していたのは、中小企業です。
中小企業が積極的にAIJ契約を結ぶ傾向があり、その結果、総合型の年金タイプが作られました。

事件発覚後、倒産をする中小企業も多く、非常に恐ろしい事態へと発展しましたが、後悔しても後の祭り。
総合型の厚生年金を活用した見直される事となり、年金運用の形としては、今ではマイナスイメージを持つ方がほとんどです。

このように、個人よりも企業全体を巻き込んで行われる事となったのが、こちらのAIJ投資顧問事件になります。
物事にはそんな簡単に上手い話は無く、きちんと警戒をして臨まないと、会社が潰れる事態にまで発展してしまうのです。

詐欺事件の被害者ではある物の、こちらは残念ながら、クチコミがクチコミを呼び、被害者が加害者となってしまったケースも少なくありません。
悪気があって進めたわけではもちろん無いものの信頼する企業から進められて始めた結果、会社倒産の危機に陥ってしまった方も多くいる、恐ろしい事件だったと言われています。

2003年「有栖川宮詐欺事件」について

偽りの結婚披露宴詐欺、有栖川宮詐欺事件

日本の象徴として知られる天皇陛下。
社会の授業でも教わる一般常識として差入れていますが、具体的にどんなご家族がいるか知らないことも多く、その全容をしないと言う方も少なくありません。

そんな国民の隙を突いたとも言えるのが、有栖川宮詐欺事件です。
2003年に起ったこちらの事件は、各界の著名人も巻き込み、大騒動となりました。

2003年4月6日、東京赤坂のカナダ大使館の地下パーティー会場で行われたのが、皇族夫妻と名乗る、有栖川宮夫妻の結婚披露宴でした。
この有栖川宮は世襲新王家の1つとして知られ、桂宮、伏見宮、閑院宮の加盟と並ぶ皇族として名乗られていました。

ですがこの有栖川宮家は、1913年、10痔雨党首である威仁親王が亡くなった段階で断絶し、皇族としての加盟は残っていません。
にも関わらず、この有栖川宮を名乗る夫妻は、完全なる偽物なのですが、実際に皇族としての名前が以前有った事も有り、披露宴出席者は、その歴史を知ることは無かったのです。

まさかお家断絶をしていたとは夢にも思わない披露宴参列者は、皇族の式に参加をしている物として、当然ご祝儀を渡し、その金額1200万円以上にも上りました。
この中には、当日販売をされていた夫婦のブロマイドを始め、各種グッズも含まれて居ます。
何と二人とのツーショットを撮るためにも料金を1万円支払わないといけないほどで、今にして思えば、非常に思い切った詐欺事件であったと言えるでしょう。

その後、この事件が発覚、犯人の偽物皇族は、逮捕されるに至ったのです。

犯人は非常に強欲

有栖川宮詐欺事件の犯人として実刑判決を受けたのが、政治団体の代表を務めていた北野康行と、自称元女子アナの坂本晴美です。
二人はあくまでこの詐欺事件を行う際のパートナー、決して内縁関係、恋愛関係、ましてや実際の夫婦だった訳でもないことで知られています。

二人はいずれも実刑判決が下され、その後刑に服すことになりますが、北野が坂本にあてた手紙を週刊新潮が掲載した際に、慰謝料請求の訴えを起こすなどの事件も起りました。
当然ながら取り上げられる事も無く終わったのですが、この事件を踏まえても、非常に二人が強欲であったことがうかがえるでしょう。

有栖川宮事件では、二人の計画の甘さも垣間見えます。
披露宴の際に提供された料理は非常に安っぽく、引き出物は何とバームクーヘンのみでだったとのことで、参列者も不思議に思っていたのだそうです。
せめてそう言った細かい部分で作り込みがされていれば、発覚も多少は遅くなったと言えます。

非常に強欲に、非常に貪欲に皇族を名乗った結果、現在に至る事を考えると、とても浅はかであったと考える方は少なくありません。