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2014年「東京電力賠償金詐取事件」について

東京電力賠償金詐取事件の概要

東京電力賠償金詐取事件とは、東日本大震災後の福島第一原発での事故の影響を受けて、売上が落ちたという理由で飲食店に虚偽の請求をさせ、東京電力から多額の賠償金を騙し取ったという事件です。
2012年ごろからこのような手口で詐欺事件を働いたかどで、2019年10月に札幌市豊平区に住む無職の男を始め男女9人が逮捕されました。
さらに、11月には新たな容疑で男女10年が再逮捕されました。

東京電力賠償金詐取事件の顛末

警視庁への取材によると、具体的な逮捕容疑は、福島県いわき市にて営む飲食店の売上が原発事故の影響で著しく下がったとして、損害賠償金を請求する書類を作成し1000万円以上を騙し取ったことに関することです。
ところが、警察の調べに主犯格の男は黙秘しており、同時に逮捕されたうちの数人も否認しています。

しかし、捜査が進むうちにさまざまなことが明らかになりました。
まず主犯格の容疑者は、別の詐欺事件で服役中の元NPO法人の職員の男と深い関係があります。
そのNPO法人とは、今回の事故のような賠償問題において賠償金の請求を代行するという団体です。
その団体の職員を務めていた男のグループで、今回の事件の主犯格の男は幹部を務めていたとされています。

彼はその後独立し、福島県いわき市を拠点にして活動を始めたということです。
さらにその後いわき市内の飲食業者およそ20人に賠償金を請求するよう促し、合計5億円近くを東京電力に払わせ、そのうちの80~90%を手数料として懐に入れていました。

具体的な手口は、まずリクルーターの役割を務める女がスナックの経営者などに近づき、「お店をやっていたのなら東電に賠償金請求ができるから申請しないか?」と持ちかけます。
書類の作成も経営者に代わって行い、その際、現実とはまったく異なる売上を記入し、実際よりも大きな売上があったかのように見せかけて巨額の賠償金を請求したわけです。
経営者自身は申請手続きについてよく知らず、書類をどう書けばよいかもわからなかったとのことで、気がついた時には後に引けなくなったと語っています。
そこにつけ込んだ悪質な犯罪と言えるでしょう。

このような架空の請求に対して、東京電力はなぜ素直に応じたのかも疑問ですが、元東電社員の話によると申請内容を詳しくチェックするような余裕がなかったとのことです。
それに加え東電は加害者という意識があったため、被害者に対する負い目もあり、形式の整った書類で申請されれば支払わざるを得なかったと語っています。

この事件は東京電力が直接の被害者に見えますが、実際は電力料金を負担する一般の人たちが被害者と言えます。
復興のために電気料金の値上げや税金に応じている人たちの思いを踏みにじる詐欺事件と言えるでしょう。

2020年「津市相生町自治会長事件」について

津市相生町自治会長事件の概要

2020年2月、三重県津市相生町の自治会長を務めていた男が詐欺の疑いで逮捕されました。
その後、5月には市の臨時職員も共犯の疑いで逮捕されたのですが、元自治会長の男と市の間にゆがんだ関係があったと報道されています。

事件の概要は、相生町という津市の中心部からやや離れた町で自治会長を務めていた男が、実際にはやっていない工事をやったと報告したりなどして市から補助金を騙し取ったことです。
たとえば環境パトロールと称して、通常車1台で事足りるのに、4台分の費用や報酬を請求したり、市職員に土下座や丸坊主を強いるようなパワハラがあったりといったことが報道されています。

また、男の経営する飲食店を利用するよう市の職員に働きかけたり、私有地の草刈りや町内会事務所のガレージの修理を市の職員にさせたりなど、市職員をほぼ私物化していたとのことです。
さらに、気に入らない市職員に対して異動させるようなこともありました。

なぜ自治会長がそれほど大きな権力を持つようになったかというと、暴力団や同和問題が背景にあるようです。
そうした威力をバックに市議会に常態的に介入していたとされていますが、マスコミでは一部タブーとして報道されていない問題もあります。

相生町自治会長事件の詳細とその後

男はすでに詐欺の容疑で3度も逮捕されています。
町のゴミ箱の設置費用として75万円、自治会掲示板の補修費用として13万円、集会所の修繕費用として100万円など、さまざまな名目で市の補助金を騙し取りました。

男が逮捕されて後、2020年5月には市の臨時職員の男が三重県警によって詐欺共謀の疑いで逮捕されました。
元自治会長の男と共謀して、自治会に防犯灯を設置する工事をしたと装って、工事費用として市の補助金を52万円騙し取ったとされています。

先に述べた威力が背景にあったことで、元自治会長の男には市の職員は逆らえなかったと言われています。
男が一人で詐欺を工作して補助金を不正受給したというのではないようです。

たとえば、直々に市の幹部に電話を入れて職員をよこさせ、雑談から徐々に「掲示板をきれいにしてくれ」「ガレージを修理してくれ」「ゴミ箱を設置してくれんか」などと話を持っていき、実際に補修工事等をさせられたとの話があります。
実際は男が職員に現金を渡し、資材の購入や工事をさせていたのですが、そのお金が実は市の補助金でした。
一般の職員はそんなことも知らず、上司と男の言うままに働いていたと言います。

事件が発覚し男が逮捕されてからも、津市はまだ落ち着いていません。
津市の幹部を含む150人以上の職員が処分を受けたほか、土下座や丸刈りを強要された挙げ句、退職まで追い詰められた元職員からの訴えで、三重弁護士会は、市が適切な対処をしなかったのは人権侵害に当たるとも発表しています。

ギャンブル詐欺の特徴と手口

ギャンブル詐欺の特徴

ギャンブル詐欺とは、宝くじ、競馬、パチンコなどのギャンブルに関して、「必ず儲かる方法がある」などと誘いかけてお金を騙し取ろうとする詐欺です。

ギャンブル詐欺の手口

ロト6を用いたギャンブル詐欺の手口の例を一つ挙げましょう。
ロト6とは、選んだ数字が抽選で当たったらお金がもらえるという宝くじの一種です。
平日の夕方に毎日抽選が実施されており、その様子はネットでリアルタイムで中継されるほか、結果は翌日の新聞にも掲載されます。

ロト6詐欺の犯人は、ロト6の抽選がネットで中継されていることを知らない高齢者層を狙って詐欺を仕掛けます。
抽選が終わった日の夜に電話をかけ、「ロト6の当選番号を教えますよ」などと言ってくるのです。

それで簡単に信じてしまう人は少ないですが、詐欺師は続けてこう言います。
「今日の分の当選番号を今教えることもできますよ。明日の朝刊に掲載されるのでそれで判断してください」と、まるで公表前に当選番号を知っているかのような口ぶりです。

まさかネットですでに発表されているとも知らない被害者は、翌日新聞を見て「本当だったんだ!」と気づきます。
そこで詐欺師がふたたび電話をかけ、「言ったとおりでしょう。次の当選番号を知りたくないですか?」などといって情報提供料などの名目で金銭を要求するのです。

競馬の必勝法を教えるという手口もあります。
最初は人気の馬ばかりに賭けさせるので、確かに勝率は高いです。
それでターゲットが本格的に教えを乞いたいとなった時に、「本気でやるならまとまった金額が必要になる」などと言います。
そうやって最初に信じさせて、後から多額の金銭を騙し取るのがこの手口の特徴です。

同じく「パチンコの必勝法を教える」とSNSなどネットを通じて呼びかける手口もあります。
競馬と同様、最初は少額に設定されているので、被害者も「このぐらいなら」とついお金を払ってしまうケースが多いようです。
しかし、もちろんパチンコの必勝法などありません。

ギャンブル詐欺に遭った時の対処法

実際にお金を騙し取られてしまったのなら、すぐに警察に相談しましょう。
しかし、お金が返ってくる可能性は低いです。

またこの種の手口は、どこまでセーフでどこから詐欺なのかわかりにくいようになっています。
実際に競馬の予想屋がいるように、騙すつもりなどなく、単に情報を提供しその対価を請求しただけと言われるとどうしようもありません。
警察でも詐欺だと証明することは難しいでしょう。

そういうケースでは、被害に遭った時は弁護士に相談しましょう。
弁護士が代わりに相手と交渉してくれますし、場合によっては訴訟によってお金を取り戻せることもあるからです。
とはいえ、最も大切なのは「ギャンブルの必勝法など存在しない」ということを肝に銘じ、おいしい話に引っかからないことです。

金融商品詐欺の特徴と手口

金融商品詐欺の特徴

金融商品詐欺とは、現実には存在しない、もしくは存在していても価値がほとんどない未公開株や有価証券などの金融商品について、「絶対に儲かる」などとうまいことを言ってターゲットから金銭を騙し取るという特徴があります。
ふつうならそんなわけのわからないものに投資するはずないと思いそうですが、この手の詐欺犯は非常に口がうまく、「本当に儲かるかもしれない」と思ってしまいます。

金融商品詐欺の手口

金融商品詐欺にはさまざまな手口がありますが、どれも非常に手の混んだ方法でターゲットを騙そうとします。
一人の人間が騙そうとするだけでなく、複数のメンバーからなる詐欺師グループがチームプレイで騙そうとしてくるので、「まさか詐欺師だとは思わなかった」と言う被害者も多数です。

具体的な手口を一つ挙げましょう。
ある日、投資会社を名乗る業者から電話がかかってきます。
金融商品に投資しないかという勧誘なのですが、この時におすすめする商品が実在しておらず、「必ず儲かります」などのセールストークでターゲットを信じさせる手口が巧妙です。

もちろん一方的に見知らぬ人から投資を勧誘されても、簡単には引っかからないでしょう。
ところが、本物そっくりのパンフレットを郵送してきたり、その後も別の人物から電話がかかってきたり、さらには別の投資会社の人物まで登場してくるというように一筋縄ではいかないのがこの手口の特徴です。
登場人物が多いので、その全員がグルだとは気づかず、セールストークに釣られて最後にはお金を出してしまうということがあります。

また、さらに信憑性が高くなるのが弁護士が出てくる手口です。
最初に投資会社の社員を名乗る人から、「お金は当社が出すので、名義だけ貸してほしい」といった未公開株への投資を誘う電話がかかってきます。
被害者が承諾すると、のちほど弁護士を名乗る人から電話があり、「名義を貸すだけでもインサイダー取引で逮捕されますよ」などと言ってきます。
不安になった被害者に、すかさず「内密に処理する方法があるのですが、それには手数料が必要でして…」などと金銭を要求するのがこの手口の特徴です。

金融商品詐欺に遭った時の対処法

実際に被害に遭ってしまったのなら、まずは警察に連絡しましょう。
お金を払ってしまった後ではそれを取り戻すのは難しいですが、泣き寝入りするより相談してみる価値はあります。

それより大切なのは、日ごろから詐欺に引っかからないように用心しておくことです。
この手の詐欺では、金銭の受け渡しに宅配便やレターパックが使われることが多いです。
しかし、そもそも現金をこれらの方法で送ることは禁じられているはずなので、ちゃんとした業者や弁護士が指定するはずがありません。
宅配便やレターパックで現金を送るよう指示されたら、間違いなく詐欺師と思ってよいでしょう。

キャッシュカード詐欺盗の特徴と手口

キャッシュカード詐欺盗の特徴

特殊詐欺にはさまざまな手口がありますが、最新の手の混んだ手口が「キャッシュカード詐欺盗」です。
警官などを偽った詐欺師がターゲットに電話をかけ、「お使いのキャッシュカードが不正使用されている可能性がある」などと話します。
ターゲットがその言葉を信用したら、「預金保護のために手続きを行うので、今から伺います」などと言って自宅を訪問し、その場でキャッシュカードを巧みに盗み取るのが特徴です。

実際に訪問する人が警官の格好をしているようなケースも多く、その見た目からつい騙されてしまう人が多いです。
相手を信用してつい目を離したすきに、偽物のキャッシュカードとすり替えて本物を持ち去り、現金を口座から引き出します。
被害者が気づかないうちに盗まれていることが多いため、被害の発覚に時間がかかるのが特徴です。

キャッシュカード詐欺盗の具体的な手口

具体的な手口は、上述したように警官など信用性の高い人物を騙って電話をかけるところから始まります。
金融庁や銀行の職員を名乗るケースも多いです。

電話で「お宅のキャッシュカードが不正に使用されている可能性が高い」などと話し、相手が信頼したようなら、その後に被害者宅に訪問します。
訪問時に「キャッシュカードはご自宅で保管していただく。預ける必要はない」と言うので、被害者はつい油断してしまうのがこの手口の大きな特徴です。

それから詐欺師はあらかじめ準備してきた封筒を出し、「この中にキャッシュカードと、暗証番号を紙に書いて一緒に入れてください」と言います。
封をする際に、本人を証明するため印鑑が必要だと続けます。
多くの人はこの時点で印鑑を身につけておらず、いったん家の奥に取りに戻るでしょう。
この隙に詐欺師はダミーのカードが入った別の封筒と本物をすり替えます。

被害者が印鑑を持って戻ってきたら偽物の封筒に印鑑を押させ、自身で封をして保管しておくように言います。
それから、本物のキャッシュカードと暗証番号が入った封筒を持ち、「保護手続きは無事完了いたしました」などと何食わぬ顔で言って立ち去るわけです。

キャッシュカード詐欺盗に遭った時の対処法

上記のように、キャッシュカード詐欺盗に遭っても、自分が被害に遭ったことに気づくのに時間がかかってしまいます。
そのため、被害に遭ってからあわてても、お金は返ってこないことが多いです。
それでも、被害に遭った時は警察や弁護士などに相談するようにしましょう。

もっと大切なのは、被害に遭わないよう日ごろから対策しておくことです。
キャッシュカード詐欺盗を始め、多くの特殊詐欺は電話からスタートします。
ですので、怪しい電話をすべてシャットアウトすればよいのです。
自治体によっては防犯機能付きの電話機を貸し出しているところがありますので、利用できる場合は利用するようにしましょう。

預貯金詐欺の特徴と手口

預貯金詐欺の特徴

預貯金詐欺とは、市区町村の職員や県庁の職員など公共機関の職員だと偽り、たとえば「医療費の払い戻しがある」などとしてキャッシュカードを要求する詐欺です。
キャッシュカードを奪うために、「医療費を払い戻すためにはキャッシュカードを確認しなければならない」や「新しいキャッシュカードに交換する必要があるので、古いカードはいったん預かっておきます」などと、自宅を訪問して言葉巧みに被害者を操るのが大きな特徴です。
また、電話口で同様のことを言って、「手続きのために必要だからキャッシュカードの暗証番号を言ってくれ」などと情報を要求することもあります。

預貯金詐欺の具体的な手口

預貯金詐欺の具体的な手口を、医療費の払い戻しを例に取り再現してみましょう。
まず、役場の職員を名乗ってターゲットに電話をかけてきます。
そして、「医療費の払い戻しがあるのですが、お金を口座に振り込むためには現在のキャッシュカードを新しいカードに変更しなければなりません」などと述べるのです。

被害者が「どうしたらいいでしょう?」と信頼したようなら、すぐさま暗証番号を聞き出そうとするのではなく、銀行協会などそれっぽい名前を挙げて「後日そちらからお電話差し上げるので、その案内に従ってほしい」という旨を伝えます。
それでそれを名乗る人物が連絡し、その後、実際に被害者の自宅を訪問するなどしてキャッシュカードを直接受け取るわけです。
その際に、「手続きに必要だから」とか何とか言って暗証番号まで聞き出します。

上記は役場の職員でしたが、家電量販店や百貨店の店員を偽って「お宅の名義のキャッシュカードで高額な買い物をした人がいます」と電話をかけてくる手口もあります。
いずれも、電話の後に実際に自宅を訪問し、キャッシュカードや暗証番号を要求するのが特徴です。

預貯金詐欺に遭った時の対処法

預貯金詐欺が疑われる場合、すぐに警察に相談しましょう。
実際にお金を引き出されただけでなく、上記のような怪しげな電話があっただけでも連絡するべきです。

実際にお金を取られてしまった場合は、弁護士への相談をおすすめします。
今なら預貯金詐欺のような特殊詐欺の被害者は、「振り込め詐欺救済法」という法律によってお金を取り戻せる可能性があるからです。
被害者自身での申請も可能ですが、迅速な対応が必要であるため、法律の専門家である弁護士に依頼するのがベストでしょう。

以上は預貯金詐欺に遭った時の対処法ですが、事前に詐欺に遭わないための対策をしておくことも大切です。
たとえば、防犯機能が付いている電話機を導入するなどしてはいかがでしょうか。
警察などに登録されている迷惑電話の情報から、怪しい着信があった時に安全度を知らせてくれます。
非通知の場合、自動で着信拒否してくれるので安心です。

交際あっせん詐欺の特徴と手口

交際あっせん詐欺の特徴

交際あっせん詐欺とは、たとえば多くの人が購読している雑誌などに異性を紹介するという広告を掲載して、それに応募してきた人に対して保証金や登録料などという名目で不当な料金を請求する詐欺です。
雑誌だけでなく、メールなどによっても異性を紹介する内容のメッセージが氾濫しているので注意しましょう。
うっかり応じた被害者が多額の金銭を騙し取られることが増えているとして、警察でも特殊詐欺の一つとして注意を呼びかけています。

交際あっせん詐欺の手口

交際あっせん詐欺の基本的な手口は、上述のように雑誌を使います。
雑誌の広告や投稿コーナーなどに異性を紹介するという内容を掲載し、ターゲットを募るというやり方です。
それを見た人が異性を紹介してもらえると思って連絡すると、実際には誰にも紹介してもらえず、保証金や登録料などの名目でお金だけ取られてしまいます。

また異性の情報を提供してくれたり、実際に一度だけは会わせてくれるケースもあります。
しかしすぐに音信不通となってしまい、お金だけたっぷり取られるパターンもあるので注意です。

最近では、雑誌だけでなくネットを利用した手口も広がっています。
特に注意したいのがSNSを使った手口で、たとえばFacebookなどで一般の人を装い、ターゲットに近づきます。
その後ふつうにメッセージのやり取りを繰り返し、相手に好意を抱かせてから、デートや旅行に行こうなどといって金品を要求するパターンです。

また、Facebookを使って、「相談に乗ってほしい」などと芸能人を騙ってターゲットに近づく手口もあります。
もしくは、「自分は芸能人のマネージャーで担当のタレントが相談相手を探しているので、紹介してもよいだろうか」などと言って、ターゲットを出会い系サイトなどに誘導し、高額な料金を支払わせる手口もあります。

交際あっせん詐欺に遭った時の対処

交際あっせん詐欺に遭ったと気づいたら、まず警察に相談しましょう。
お金だけ取られて紹介してもらえなかった場合だけでなく、一度は紹介してもらえたけどその後は費用だけ取られて会わせてもらえないという場合でもかまいません。
「一度だけでも紹介されたのだから、詐欺にはならないかも」と思ってしまいそうですが、不安なこと、怪しいと感じるところがあれば警察に一度は相談するべきです。

警察への相談は大切ですが、事件性が認められない限り警察は動いてくれません。
また、たとえ相談に乗ってくれても、失ったお金が返ってくる可能性は低いでしょう。
そういう場合は、国民生活センターや消費生活センターに相談することをおすすめします。
状況に応じて、適切な対処法を教えてくれるでしょう。

騙し取られたお金を取り戻したいなら、弁護士に依頼するという手もあります。
費用はかかりますが、お金を取り戻すことのできる可能性はこの方法が最も高いでしょう。

太陽光業者の例

太陽光発電の悪徳業者の手口

太陽光発電の悪徳業者がよく使う手口に、訪問販売があります。
今では、太陽光発電システムを設置する場合、ほとんどの人が自らネットで調べるなどして業者を決めるでしょう。
ところが、現在にあっても、いまだに訪問販売や電話営業などでシステムの設置を勧誘してくる業者がいます。

こちらから頼んでいないのに、向こうから突然「太陽光発電システムを設置しませんか」と言ってくる業者には注意が必要です。
営業をかけてくる業者が必ずしも詐欺を働く悪徳業者とは限りませんが、場合によっては高額な費用を請求されるケースがあります。

太陽光発電業者を見極めるには

悪質な太陽光発電業者に共通して、よく使われる決まり文句のようなものがあります。
以下のようなセリフを言ってくる業者は、高い確率で悪徳と思ってよいでしょう。
もし、あなたの方から連絡した業者が同様のセリフを言う場合も、悪質業者かもしれないと用心してください。

第一に、メンテナンスフリーなどと言う業者です。
確かに以前は、太陽光発電システムのメンテナンスは必要ないこともありました。
設置時点で安全基準をクリアしていれば、その後メンテナンスをしなくてよいこともあったのです。

しかしそれは2017年4月までの話で、現在、住宅用でも産業用でも太陽光発電システムを設置した場合、設置後のメンテナンスが義務となっています。
ですから、「太陽光発電システムは設置するだけで、後は何もしなくても自動的にお金が入ってくる」などとおいしい話を持ちかけてくる業者は、まず悪徳と思って確実です。
メンテナンスは必要だということを知っておきましょう。

「国の補助金がもらえる」も、詐欺師の決まり文句です。
2014年までは確かに太陽光発電システムの補助金が国から出ていたのですが、現在は廃止されています。
今後も制度が再開される見込みは薄いですので、国の補助金うんぬんという業者には注意しましょう。
ただし、国ではなく地方自治体によっては補助金が出る場合もあります。

「儲かる」とばかり強調する業者にも注意してください。
太陽光発電システムによって利益が得られるのは確かですが、ボロ儲けできるかのように大袈裟に言う業者は怪しいです。
電気の買取価格は年々下がっている状況ですので、そこまで儲かると思い込まない方がよいでしょう。
こういうおいしい話を持ちかけてくる業者は、それをエサに何かと理由をつけて高額な費用を請求してくることがあります。

「メリットしかない」というセリフにも、要注意です。
これも上と同じく、太陽光発電にメリットがあるのは確かですが、リスクがあることも忘れてはいけません。
環境の変化によって発電量が落ちることもありますし、電気の買取価格が予想以上に下がることもあり得ることです。
メリットだけでなく、デメリットやリスクまでしっかり説明してくれる業者を選びましょう。

屋根業者の例

悪徳な屋根業者の手口

屋根工事の悪徳な業者が用いる手口に訪問営業があります。
こちらから「屋根の修繕工事をしてほしい」と依頼したわけでもないのに、ある日突然訪問し営業をかけてくるパターンです。
訪問営業をする業者が常に必ず悪徳業者とは限りませんが、少なくとも、それほど優良な業者とは言えないでしょう。

なぜなら、優良業者であれば訪問営業などする必要がないからです。
すでにリピーターを獲得しているはずですし、営業を行うとしても広告やホームページなど間接的な方法を用いるでしょう。
したがって、突然自宅を訪問し、屋根を工事する必要があるなどという業者は悪徳だとみなしてかまいません。

訪問営業ではなく、こちらから修理を依頼した業者であっても完全には安心できません。
屋根業者のなかには、悪徳業者も紛れています。
そういう業者がよくやるのが、最初に取り決めた契約を最後まで遂行しない手口です。
最初に交換すると約束していたはずのパーツを、屋根だから一般の人の目には付かないことをいいことに、放置したまますべて完了したかのように費用を要求します。

また、屋根の塗装を塗り替えてもらう場合に気をつけたいのが、中塗りをしない業者です。
屋根でも外壁でも塗装は3回塗りが基本ですが、悪徳業者のなかには2回目の中塗りを省略することがあります。
塗装の回数が少ないほど手間もコストも省けるからです。
それでいて、依頼者にはあたかも中塗りまでしっかりしたかのような顔をして費用を請求します。

さらに最初に工事費用の全額の支払いを要求し、料金を受け取った後、工事をせずに行方をくらますような悪質な業者もいます。
全額前払いの業者は避けた方がよいでしょう。

屋根業者の見極め方

訪問営業の手口に引っかからないようにするのは簡単です。
訪問営業の業者には、何を言われても屋根修理を任せないとルールを決めておけばよいだけです。

たとえば、「サービスとして無料で点検させていただいています」や「たまたま通りかかったんですが、すぐ修理しないととんでもないことになりますよ」などと言ってくる業者がいます。
お得に感じられても、また不安感を煽られても、自ら依頼したのではない業者には依頼しないと決めておけば大丈夫です。
何か言われて不安になった場合、その業者にはお引取りを願って、自分でネット等で探した業者に点検を依頼するようにしましょう。

契約通りにしっかり工事してくれない悪質業者かどうかの見極めは、契約内容をすべて文書に残すことに同意してくれるかどうかでわかります。
もしそれを拒否するような業者なら、悪質業者と思って間違いありません。

また塗装を黙って省略するような手口を防ぐには、工事の要所要所で写真撮影を行うよう約束してもらうことです。
こうすれば中塗りを省略されることはありませんし、塗料を偽って安価で低質なものを使われる心配もありません。

水道業者の例

悪質な水道業者の手口

水道局の職員を名乗る詐欺には注意が必要です。
「水道管が破裂している恐れがあるから、確認させてほしい」などと偽って自宅を訪問し、確認らしきことをした挙げ句、「修繕が必要だから」といって高額な修繕費用を要求することがあります。
また最近では、「コロナで水道水が汚染されている恐れがあるから」などと人の不安感を煽って、高額な修繕工事に誘導する手口も増えています。

いずれにせよ、水道局員が飛び込みで訪問し、その場で修繕するから費用を支払えということはありません。
万が一、水道管が破裂して修繕が必要のことがあったとしても、事前に連絡があるはずです。
メーターの確認や水質検査などで連絡なしに訪問することもありませんから、もし何の連絡もなく水道局の職員を名乗る人物が現れた時には注意するようにしましょう。

上記は水道局職員を名乗った手口ですが、一般の水道業者を装って詐欺を働く連中もいます。
水道工事の内容など一般の人にはわからないので、そこを突いて法外な費用を請求するようなやり口が多いです。
特にこちらから依頼して修繕に来てもらった場合、言われるがままの料金を支払ってしまいやすいので注意しましょう。

このような悪質業者の多くは、ちゃんとした見積もりを提示してくれません。
最初にいくらかかると説明せずに工事を始めて、終わってから高額な費用を請求するというパターンが多いですから、料金の説明なしに作業に入る業者には注意しましょう。

また悪質な水道業者は、必要もないのに大規模な工事をしたがる傾向があります。
実際はほとんどお金もかけずに修理できるのに、「水栓ごとまるごと交換する必要がある」などといって高額な工事費用を請求するようなケースです。

水道業者の見極め方

水道業者が悪質かどうかを見極めるために、まず水道局指定の工事事業者なのかどうかを確認しましょう。
水道局に指定されている業者なら、その技術力やモラルに関しても法律で定めた基準以上の水準に達しているということです。
この確認だけで明らかな詐欺被害は防げます。

ただし明らかな詐欺目的で水道業者を偽っているのならともかく、ふつうに仕事をしている全国の多くの水道業者は水道局の指定事業者です。
そのため、それだけではサービスやマナーの品質も万全だと安心し切ることはできません。

優良業者を見極めるには、訪問した人のマナーに注目しましょう。
最初に社員証や名刺を示し、しっかり挨拶するのが基本です。
また、工事に入る前に詳細な見積もりを提示して、具体的な費用項目についても説明してくれるはずです。
それがない場合は、たとえ水道修理が必要な状況であっても即断は避けましょう。

可能なら、料金後払いに対応してくれる水道業者に修理を依頼しましょう。
そうすれば、後から法外な料金を請求されることもなく安心です。